消費期限とは? 本当はいつまで食べられるの? 賞味期限との違いもわかります!

サンドイッチを食べようとパッケージを見たら消費期限が切れていることに気付き、食べるべきか捨てるべきか迷った経験はありませんか? そのようなとき、過ぎている日が1日くらいであれば五感を頼りに食べしまう人もいれば、不安を感じて捨てる人もいることでしょう。消費期限切れの食品は、実際にはいつまでなら食べられるのでしょうか?

ここでは、消費期限とはそもそもどのようなものなのか、また、消費期限が過ぎたらすぐに処分すべきなのかどうかなどについて詳しく解説します。言葉が似ている賞味期限との違いも紹介します。

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消費期限とは? 賞味期限とはどう違うの?

食品を安全に安心して食べるためには消費期限の正しい定義を理解しておくことが必要です。

また、消費期限は賞味期限とは異なるものであるため、違いについてもあわせてしっかり理解しておきましょう。

1-1消費期限とは?

消費期限とは、この年月日までであれば安全に食べられることを示す期限をいいます。

あらかじめ指定された方法で保存した際に、加工もしくは製造後からおおよそ5日以内で品質が劣化してしまう食品に対し、腐敗などの劣化がないと判断される期限のことです。

そのため、食品が入った容器や袋が開封されていない状態で、なおかつパッケージに表示された保存方法を正しく守っていることが条件となります。

表示外の方法で保存すると、消費期限内であっても食品の安全は保障されないので注意が必要です。

なお、保存方法の記載がない場合は、常温保存を前提として期限が設定されています。

1-2消費期限はどんな食品に記載されているの?

期限の表示には消費期限と賞味期限の2種類があります。

加工食品を提供する場合、必ずどちらかの期限を表示することが決められており、特に品質が劣化しやすい食品には消費期限が記載されます。

品質が劣化しやすいかどうかを判断する目安は、「おおむね5日を超えたとき、食品としての安全性に不安を覚えるかどうか」です。

例えば、弁当やサンドイッチ、生めん、ケーキ、生肉などには、傷みやすい食品として消費期限が記載されます。

1-3賞味期限との違いは?

消費期限と賞味期限の大きな違いは「期限設定されている食品の劣化の早さ」です。

消費期限は品質の劣化の進みが速いものに表示される期限であるのに対して、賞味期限は劣化が比較的遅いものに記載されます。

そもそも、賞味期限とは食品の風味の品質が保たれる期限のことです。

食品の安全を保障する期限ではなく、記載されている年月日までであればおいしく食べられることを示しています。

ただし、賞味期限も消費期限と同じく、食品が入った容器や袋が未開封で、なおかつ正しい方法で保存していることが条件です。

「毎日が発見ネット」では、賞味期限の記事も掲載していますので、あわせて参考になさってください。

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出典:厚生労働省 食品の期限表示について/厚生労働省

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消費期限を過ぎても食べられるの?

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消費期限が過ぎてしまった食品は、食べずに処分した方が良いのでしょうか。

ここでは、消費期限の設定方法と消費期限切れの食品の安全性について詳しく解説します。

2-1消費期限はどのように設定されているの?

消費期限は、製造業者や加工業者などが、国が示すガイドラインをもとに保存試験などを行い設定しています。

ガイドラインは、厚生労働省や農林水産省がさまざまな検査を実施し、消費期限の安全性を確認した上で取りまとめたものです。

「表示する期限は各種試験や検査の結果から決める客観的な指標に基づき設定すること」を基本的な考え方として示しています。

指標のもととする検査は、菌の繁殖状況などを数値化できる微生物試験やpHなどを確認できる理化学試験、五感の変化などがわかる官能検査です。

また、それぞれの食品の特性に応じた安全係数(1未満の数字)を設け、検査による指標で算出した日付に安全係数をかけた日付を消費期限として示すことも記されています。

1未満の安全係数をかけて実際の安全期限より短い期間を算出することにより、さらに安全な期限を消費期限として設定することができるのです。

次に、具体的に、どのように計算するのか、消費科学研究所が公表している資料をもとに見てみましょう。


STEP3

期限を設定する。
①検査結果は、4日までは基準を満たしていた。
 安全係数を考慮し、期限を設定する。

②期限の設定
  検査で基準を満たした日数<4日> × 安全係数<0.8>
 = 消費期限<3.2> ⇒ 小数点以下切捨て<3日>

③②の結果より、10℃で保存した場合に、消費期限を製造後3日(製造日を含む)(例:8月3日)とすることができる。


出典:消費科学研究所 食品の消費期限・賞味期限設定のための検査(保存検査)のご案内/消費科学研究所

上記は消費科学研究所がカスタードプリンの消費期限を算出する際の方法ですが、安全係数は0.7、もしくは0.8に設定することを推奨しています。

このケースの場合、検査結果による安全期限が製造日の4日後と算出されています。

この安全期限の4日に安全係数0.8を乗じると3.25日となりますが、小数点以下は切り捨てられるため、消費期限は3日後となります。

なお、賞味期限についても、消費期限と同様の方法でその期限が算出されています。

2-2消費期限を過ぎても大丈夫?

消費期限を過ぎた日が1~2日でも安易に安全と考えず、基本的には消費期限切れの食品は食べないようにしましょう。

消費期限は安全に配慮し、実際に安心して食べられる期限よりも短く設定されています。

しかし、消費期限で安全が保障されるのは、あくまでも正しい方法と適した環境で保存した場合です。

購入して持ち帰るまでの移動や家庭での管理状況、季節による保存環境の変化などによって食品の状態が大きく変わることもあるため、期限を過ぎたら食べないことをおすすめします。

もともと消費期限の表示対象となるものは劣化が早いものであることからも、食べられるかどうかの判断は保存状況なども考慮した上で、十分な注意を払って自己責任で行うことが必要です。


消費期限の条件に欠かせない保存温度とは!?

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食品を安全に保存するために欠かせない条件の一つに温度があります。

食品のパッケージに保存温度が表示されている場合は、温度条件を守って保存することが必須です。

保存温度を守らなければ、消費期限に従っても食品の安全は保証されないため、以下にご紹介する保存温度をしっかり確認しましょう。

3-1冷蔵・冷凍保存が必要な食品

パッケージに「保存温度〇度以下」という記載があった場合、その温度条件に従って保存します。

保存温度が、「10度以下」と記載されている場合は冷蔵保存、「-15度以下」の記載がある場合には冷凍保存が必要です。

厚生労働省が公開している「食品、添加物等の規格基準」(昭和34年厚生省告示第370号)によると、冷蔵保存が必要なものには、例えば、保存基準が10度以下である牛乳や生肉、8度以下である鶏の卵液、4度以下のローストビーフなどがあります。

一方、冷凍保存しなければならないものには保存基準が-15度以下の冷凍食品などがあります。

日本の法律である食品衛生法では冷凍食品の保存温度を-15度以下にすることを定めていますが、より安全性を高めるため、一般財団法人日本冷凍食品協会は冷凍食品の保存、および流通を-18度以下を基準とし維持していくことを公表しています。

3-2常温保存の常温とは?

常温とは「平常時の温度として認められる範囲内の温度」のことで、平常時の温度の定義は複数あります。

日本産業規格(JIS規格)の保管条件における規定では「5~35度」を常温としていますが、その他の規格の定義においても、おおよそ5~35度の範囲で設定されています。

ただし、常温保存が可能とされている食品でも、開封後は冷蔵保存が必要な食品もあるため気を付けなければなりません。

また、常温とされる温度の範囲内であっても、湿度が高かったり、日光が直接当たったり、一日における温度変化が激しかったりする環境では、食品の劣化が早まりやすいため注意が必要です。


包装技術の進化で消費期限が延長に!

食品を保存するための包装技術の進化により、消費期限を伸ばせるようになってきています。

MAP包装と呼ばれるガス置換包装技術(二酸化炭素、酸素、窒素などのガスを特別な加工を施した容器に充填する方法)や、食品の形状に沿った包装をすることで酸素に触れにくい状態にするバリアスキンパックフィルムなどが登場したからです。

例えば、精肉の場合、通常は2日程度の消費期限ですが、バリアスキンパックフィルムで包装することで7日程度に延長することができるようになりました。

包装技術の進化により、さらに延長されていくでしょう。

消費期限をしっかり管理して安心安全な食生活を送りましょう!

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食べる際には、パッケージなどに記載されている期限が消費期限と賞味期限のどちらであるのかを必ず確認しましょう。

消費期限は安全に食べるための期限、賞味期限はおいしく食べるための期限であり意味が異なるからです。

また、消費期限も賞味期限も基本的には表示期限内に食べるようにしましょう。

どちらの期限も実際の安全期限より短く記載されていますが、保存方法などによっては劣化が早まる可能性もあり、期限内であれば必ずしも安心というわけではないからです。

一方、消費期限が切れていることに気付いた場合、安全に食べようとすると捨てざるを得なくなります。

昨今フードロスの発生が課題とされている中、買い過ぎて期限内に食べ切れなかったからと食品を捨ててしまうことはできる限り避けなければなりません。

食品を無駄にしないためにも計画的に購入し、開封前と開封後の保存方法や温度などの保存環境に気を付けた上で、消費期限をしっかり守りながら安心できる食生活を送りましょう。

 

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