使えないと思われがちな野菜の廃棄部分。実は皮や軸、芯にも栄養があり、おいしく食べられるんです! 「捨てる」を「食べる」に変えるエコレシピ、ぜひ試してみてください。今回は、管理栄養士・料理研究家の成澤文子(なりさわ・あやこ)さんに「野菜くずを活用した"ベジブロス"の作り方」を教えてもらいました。
野菜の「ベジタブル」とだしの「ブロス」を合わせたべジブロス。
野菜くずを煮出すだけなので、とっても簡単。
節約も兼ねながら、毎日の料理に活用してみませんか?
野菜の組み合わせによりいろいろな味が楽しめます
さまざまな野菜でべジブロスを作っている、管理栄養士の成澤文子さん。
「肉や魚のだしに比べると風味は薄いですが、野菜ならではのやさしい甘さや香りを楽しめるのがいいところ。野菜は鮮度の良いものを使い、傷みや黒ずんでいる部分は入れないことがおいしく作るコツです」。
今回は、作りやすく健康効果も期待できる組み合わせをご紹介。
玉ねぎの皮を入れることで、ポリフェノールの一つ、ケルセチンが摂取できます。
ベジブロスに向く野菜
このページで紹介したものの他にも、ベジブロスに使える野菜をピックアップ。
組み合わせを変えて味の変化を楽しんでみて。
パセリの軸
長ねぎ(青いところ)
しょうがの皮
ほうれん草の根
スナップエンドウの筋
グリーンピースのさや
とうもろこしの軸
じゃがいもの皮
かぼちゃのわた
簡単!「ベジブロス」の作り方
くず野菜は鮮度が大切なので、多めに出たタイミングで作るのがおすすめ。
量が足りないときは昆布やローリエを足したり、食べられる部分を加えて具にしても。
用意するもの(作りやすい量)
くず野菜...茶碗1杯分
水...4カップ
酒(好みで)...少々
(1)火にかける
鍋にくず野菜、水、酒を入れて中火にかける。
(2)弱火で煮出す
沸騰直前になったら弱火にし、20分ほど煮る。
(3)こす
火を止め、ざるでこす。
(4)保存する
さめたら冷蔵室で保存。すぐに使わないときは、保存袋や製氷皿に移して冷凍保存して。冷蔵で5日、冷凍で2週間を目安に使い切る。
《素材の違いで味わいが変わります》
甘味があってフルーティー
トマトのへた+パプリカのへたや種+アスパラガスの皮と根元
うま味のあるまろやかな味
大根の皮+しいたけの軸
すっきりしていてさわやか!
セロリの葉+にんじんの外側+黒こしょう
《こんな料理に向きます》
玉ねぎの皮など、濃い色がつくものは、ビーフシチューやカレー、炊き込みご飯など色が濃い料理に。
じゃがいもの皮(芽は取る)、さつまいもの皮などは煮出すことででんぷん質が溶け出すので、シチュー、カレー、煮ものなどとろみがある料理に使うのがおすすめです。
●汁ものに
だしが出る具材を使うときのみそ汁、スープなど。
●ご飯ものに
炊き込みご飯やパエリア、リゾット、雑炊など。
●洋風煮込みに
カレー、ビーフシチュー、トマト煮など。
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取材・文/坂本典子、佐藤由香(シェルト* ゴ) 撮影/難波雄史