失敗続出・・・!? 有名な会話テクニック「オウムリターン」きちんと使えてますか?

のべ8000人以上を指導したメンタルコーチ・新井慶一さんは、仕事や人間関係、恋愛、さらにはお金まで「99%の人が会話で損をしている」といいます。会話がうまくなれば人生は好転するという新井さんの著書『100%得する話し方』(すばる舎)には、その極意「相手に9割話させる話し方」のメソッドが盛りだくさん。今回はその中から、厳選したヒントを連載形式でお届けします。

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多くの人が失敗している、ある落とし穴とは?

次は、「オウムリターンの法則」です。

「オウムリターンの法則」は、鳥のオウムが人間の言ったことをそのまま繰り返すがごとく、話し手の言ったことを聞き手がそのまま返す、それだけです。

このテクニックも大変有名なので、「なんだ、知っているよ」という人がいるかもしれません。

ただやり方は知っていても、多くの人が失敗しているある落とし穴があります。

それは、相手の言葉を繰り返したあとに、「自分の意見や考え方を付け加えてしまうこと」です。

事例を見てみましょう。


NG事例

取引先「最近の若いもんは、全然飲み会に来ないんだよな」

聞き手「来ないんですかー」

取引先「よかれと思ってアドバイスしたことも、『ありがとうございます』すら言わないんだよ。俺の話も、全然聞いてないし」

聞き手「話を聞いてないんですかー。それはけしからんですね(自分の意見)」

取引先「そうだろ!! 俺もけしからんと思うんだよ」

聞き手「僕もそう思います。最近の若者はほんとなっていないですよね」


いかがでしょう。

最初は取引先の「若者が飲み会に来ない」という愚痴だったのが、最後は「僕もそう思います。最近の若者はほんとなっていないですよね」という聞き手の意見にすり替わっています。

つまり、聞き手がいつの間にか会話を泥棒してしまったのです。

せっかく相手の言葉をそのまま返しても、そのあとに自分の意見や考え方を付け加えてしまうと、すべてが台無しになってしまうのです。

ですから、「オウムリターンの法則」を使うときは、絶対に自分の意見や考え方を付け加えてはいけない。

ただただ、「私はあなたの言葉をキャッチしましたよ」という態度だけ、しっかり見せることです。

では、どうすれば良かったのか?

事例を見てみましょう。


OK事例

取引先「最近の若いもんは、全然飲み会に来ないんだよなー」

聞き手「飲み会に来ないんですかー」

取引先「よかれと思ってアドバイスしたことも、『ありがとうございます』すら言わないんだよ。俺の話も、全然聞いてないし」

聞き手「話を聞いてないんですかー」

取引先「ほんと、俺たちの時代とは全然違うよな」

聞き手「全然違うんですね」


おわかりいただけましたでしょうか?

聞き手は、「若者が飲み会に来ない」「俺たちの時代とは違う」という取引先の言葉をそのまま繰り返しているだけで、意見や考えは付け加えていません。

このように、話し手の話をそのままリターンすることが、オウムリターンの本質であり、その結果、話し手の本当に言いたいことが見えてくるのです。

「オウムリターンの法則」を使うときは、絶対に自分の意見や考え方をつけ加えない。

これを肝に銘じてください。

さて、「オウムリターンの法則」は、心理学的には女性相手のほうがより効果を発揮すると言われていますが、私の経験で言えば老若男女、誰にでもヒットする法則だと思っています。

次の事例は、若い男性同士の会話です。


話し手「今日渋谷行ったんだけどさー」

聞き手「渋谷行ったんですねー」(オウムリターン)

話し手「工事中のところが多くて迷うよねー」

聞き手「そうですね、迷っちゃいますねー」(オウムリターン)

話し手「あれいつまで続くんだろうねー」

聞き手「そうですね、いつまで続くんでしょうねー」(オウムリターン)

話し手「早く終わってほしいよね」

聞き手「ほんと、早く終わってほしいですよねー」(オウムリターン)


この会話、冷静に書き出してみると、なかなかに滑稽ですよね。

しかし不思議なことに、この滑稽なオウムリターンの応酬が、意外と効果的なのです。

ただただ相手の言葉を繰り返しているだけなのに、相手はどんどん前のめりになって話してきます。

なぜ、「オウムリターンの法則」がここまで効果的なのか?

それは、人は誰でも自分の気持ちを受け止めてもらえたときに、エクスタシーを感じるからです。

キャッチボールを例にとると、わかりやすいと思います。

キャッチボールで自分が投げたボールを相手が後ろにそらした場合、次投げるとき、なんとなく「大丈夫かな」「きちんと受け止めてくれるかな」と心配になってしまいますよね。

いっぽう、投げたボールを受け手がしっかり受け止めてくれて、その上、受け止めるたびにミットから「バシッ」という音が聞こえてきたら、とても快感ですよね。

つまり、「オウムリターンの法則」は、ボールを「バシッ」と受け止めてくれる人と同じで、「あ、自分の言葉がちゃんと相手に届いた」という感じを相手に伝えるテクニックなのです。

話し手は自分の思いが届いていることを感じられると、とても安心しますし、相手に好意を持ちます。

「この人、めっちゃ受け取ってくれるわー」となって、それだけで満足するわけです。

冒頭の取引先の男性にしても、ただ単に、「後輩に相手にされない自分の悲しい気持ちを受け取ってくれた」というだけで十分なのです。

そこにカタルシスが生まれ、相手に気持ち良くなってもらえる、ということなのです。

【得する人がやっている話し方】
人は自分の気持ちを受け止めてもらえたときにエクスタシーを感じる

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相手に好かれる合いの手や聞きたいことを引き出せる質問術など43のコツが全5章で紹介されています

 

新井慶一(あらい・よしかず)
兵庫県神戸市出身。心感動メンタルコーチ。笑う大人プロジェクト株式会社代表取締役。幼いころから「口下手」「自己肯定感が低い」「あがり症」と、コミュニケーションの三重苦を持つ。コーチングの道へ進み、話し方メソッドを生み出した。のべ8000人以上にコーチングを実施し、日々コミュニケーションの楽しさを普及している。本書がデビュー作。

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『100%得する話し方』

(新井慶一/すばる舎)

話をしたいと思っているうちは、会話で損する!? 「話上手」になるために知っておくべきは、話し方と聞き方のコツ。より深い話を引き出す相づちや、強い興味を示すリアクションなど、家庭で、仕事でと、あらゆる対人関係ですぐに役立つ「会話の秘訣」が学べます。

※この記事は『100%得する話し方』(新井慶一/すばる舎)からの抜粋です。
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