のべ8000人以上を指導したメンタルコーチ・新井慶一さんは、仕事や人間関係、恋愛、さらにはお金まで「99%の人が会話で損をしている」といいます。会話がうまくなれば人生は好転するという新井さんの著書『100%得する話し方』(すばる舎)には、その極意「相手に9割話させる話し方」のメソッドが盛りだくさん。今回はその中から、厳選したヒントを連載形式でお届けします。
「合いの手」をうまく入れるだけで、会話はどんどん進む
会話をする上で、欠かせないものといったら何でしょうか?
返事、うなずき、目線、表情、話すスピード......。
色々ありますよね。
これらを総称して、「合いの手」とします。
いきなりですが、ここで「合いの手」のない会話を想像してみてください。
どんなに話しかけても、相手から返事もなければ、表情も変わらない、目線も動かない、リアクションがまったくない......。
こんなに話しにくいことってありませんよね。
つまりコミュニケーションでは、「合いの手を制するものは会話を制する」と言っても過言ではないくらい重要なのです。
裏を返せば、合いの手をマスターするだけで、「得する話し方」の半分はマスターできたと言ってもいいくらいです。
なぜなら、自分から話をしないで、ひたすら相手にスポットライトを当てるのが「得する話し方」のキモですから。
相手が気持ち良く話せるようにするための基盤づくりこそが「合いの手」なのです。
ではさっそく、初心者にも使いやすく、手軽にできる「合いの手」の基本をご紹介しましょう。
相槌を打つのが圧倒的にうまくなる
「は・ひ・ふ・へ・ほの法則」
「合いの手」の基本中の基本が、「相槌を打つ」ことです。
しかも驚きや共感を示す言葉を言いつつ、相槌を打つと相手が話を進めやすくなり、ノリノリになります。
このテクニックは超簡単。
相槌を打ちながら「は・ひ・ふ・へ・ほ」を言うだけです。
例えば、こんな感じです。
「最近、引っ越したんですよ」
「へえー!」
「ちょっと駅から遠いんですけれど、自然が豊かで」
「へえー!」
「子どもものびのびしてますね」
「へええーーー!!!」
このときのポイントは、前のめりでやや食いつき気味に「へえー」と言い続けることです。
そして、心のなかはいつも「次はどんな話をしてくれるんですか?」という気持ちを持ち続けることです。
「最近、引っ越したんですよ」
「へえー!」(次はどんな話をしてくれるんですか?)
「ちょっと駅から遠いんですけれど、自然が豊かで」
「へえー!」(次はどんな話をしてくれるんですか?)
「子どもものびのびしてますね」
「へええーーー!!!」(次はどんな話をしてくれるんですか?)
「へえー!」の違うバリエーションとして「ほー!」もあります。
こちらもやはり、前のめりで食いつき気味に言うのがコツ。
「ふーん」もアリなのですが、「ふーん」は、ちょっと冷静な雰囲気がにじむので、初心者は「へぇー!」と「ほー!」からスタートしましょう。
「はあー!」というのも、言いやすい人は使ってみてください。
「ひー!」は利用頻度は高くないですが、めちゃくちゃ面白い話を聞いたときなどに「ひーーーっ!」「ひえっーーー!!!」と言っても良いでしょう。
これでしたら、話下手の人も無理なく実践できるのではないでしょうか。
しかし問題は、相槌を打つだけの会話に耐えられなくなり、相手の会話を泥棒したくなってしまったときです。
「最近、引っ越したんですよ」
「へえー!」(お、家の話か)
「ちょっと駅から遠いんですけれど、自然が豊かで」
「へえー!」(俺の住んでるところも自然が豊かでいいんだよなー)
「子どもものびのびしてますね」
「そうですよねー、うちも自然が豊かなところなんですよ。この間も子どもと一緒に魚釣りに行って......」(つい会話泥棒しちゃった)
これが、多くの人がやってしまいがちな会話泥棒です。
ほとんどの人は、相手の話を聞きながら、次に何を話そうかを考えてしまいます。
また、人は思いついたことを話すのを我慢できない生き物です。
結果、スポットライトを手離して、自分も舞台に上がってしまうのです。
もちろん、友人知人など気の置けない仲間と会話を楽しむときに、こんなテクニックを使う必要はありません。
しかし、何らかの目的があって、それを達成したい、あるいは人生の夢をかなえたい、ということであれば、ここはぐっと我慢して真剣に相槌を打つことに集中してみてください。
驚くほど、相手が楽しそうに話してくれることがわかるはずです。
そして、一度でもそれが感じられたら、私が申し上げている「会話だけで人生が180度好転する」が、嘘ではないことを実感してもらえると思います。
最近では、電話やオンラインでのやりとりも増えています。
オンラインでは互いの情報量が少なくなりがちなので、リアル以上に大げさな相槌を打つのがコツです。
【得する人がやっている話し方】
「次に何を話そうか?」ではなく「は・ひ・ふ・へ・ほの法則」で相槌を真剣に打つ
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