誰もが抱える仕事や人間関係の悩み。キャビンアテンダントでの経験から人材教育の講師に転じた三上ナナエさんは「全ては気遣いでうまくいく」と言います。そこで、三上さんの著書『仕事も人間関係もうまくいく「気遣い」のキホン』(すばる舎)から、自分の魅力をアップし、対人関係もスムーズにする気遣いスキルを連載でお届け。自信をつけて「相手から信頼される気遣い」を身につけてみてはいかがでしょうか。
何気ないとき、どんな顔をしている?
ビジネスにおいても、プライベートにおいても、「表情」はとても大事です。
それは、表情が最も感情を伝える機能を持っているからです。
人と接しているときは、表情を意識している人は結構いるかもしれません。
しかし、人と接していないときが実は意外に大事。
無防備な状態をさらしているのを、見られた経験はありませんか?
以前、知り合いに「三上さんを駅で見かけたけれど、怖い顔だったから声をかけられなかったよ」と言われたことがあります。
私は「声をかけられないほど私どんな顔をしてたんだろう......」と急に恥ずかしくなりました。
自分がどんな顔でいたのか想像したくもありませんでした(苦笑)。
以前、「お天気お姉さんの笑顔がウソとバレる時」という動画が、ネットで話題になったことがありました。
爽やかな笑顔で人気のお天気キャスターの女性が、もう画面に自分が映っていないと思った瞬間、満面の笑みが急激に不機嫌な顔になったという映像です。
急に表情を変えてしまうと、変化した後の表情が「本当の顔」だと思われてしまうものです。
この場合は、不機嫌に見える表情がダメだというより、微笑みと真顔のギャップが大きかったことに、多くの人がびっくりしてしまったのだと思います。
ビジネスの場面であれば、閉じかけのエレベーターでお客様をお見送りするときも、素顔や真顔が出やすいもの。
最後まで気を抜かずに、表情に注意したいですね。
人と接していないときほど「表情管理」を
CAとして働いていたとき、お客様にこんなことを言われたことがあります。
「CAの人って、話をするときは感じがいいけど、話し終わると真顔になってサッといなくなる人がたまにいるよね」
私にも思い当たることがありました。
お客様のご要望に「早く応えたい!」と思うあまり、何かあるとすぐに段取りを頭の中で組み立てはじめてしまうのです。
その結果、先輩に「真顔になってる!」と注意を受けたことが何度もありました。
人と接していないときこそ「表情管理」が大切。
自分が話していないとき、何かを待っているとき、大勢の中にいるときなどは、「今、私は真顔になりやすいぞ」と自分に喝を入れ、口を閉じ、奥歯をかみしめ、口角を5ミリくらい上げるイメージの「スタンバイスマイル」をキープしましょう。
「スタンバイスマイル」とは、「いつでも声をかけていいですよ」というメッセージであり、まわりに対する気遣いでもあります。
黙っているときに怒っているように見えて、「話しかけづらいな」「怖い人だな」と思われてしまうのはもったいないですよね。
表情は無言のメッセージ。
人と接していないときほど、まわりはあなたの表情を読み取って、あなたのことを判断しているということを忘れないでくださいね。
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元ANAのCAで4500回のフライトを経験した著者が会話や見た目などシーンごとに使える37の気遣いのコツを全5章で解説します