誰もが抱える仕事や人間関係の悩み。キャビンアテンダントでの経験から人材教育の講師に転じた三上ナナエさんは「全ては気遣いでうまくいく」と言います。そこで、三上さんの著書『仕事も人間関係もうまくいく「気遣い」のキホン』(すばる舎)から、自分の魅力をアップし、対人関係もスムーズにする気遣いスキルを連載でお届け。自信をつけて「相手から信頼される気遣い」を身につけてみてはいかがでしょうか。
部下としてかわいがられる人の共通点
部下としてかわいがられる人の共通点として、「指示を受けるときの態度が良い」というのが挙げられます。
指示を出すたびに面倒くさそうに見えると、上司はその部下と接触すること自体がストレスになるからです。
指示を受けた内容を実行するのであれば、気持ちよく指示を受ける、そのように上司に見えることが気遣いとして必要になります。
指示を受ける態度が良いと思われるポイントは3つ。
・「返事」をする
・「メモ」を取る
・「復唱」をする
他にも細かく挙げればいろいろありますが、まずはこの3つができていると好感を持たれます。
「なんだ、そんなことなら知ってるよ」と思う方も多いかもしれませんね。
でも私の経験上、「知っている」けれど「やっている」人が少ないのがこの3つ。
シンプルだけど差がつくポイントかもしれません。
返事は明るく、復唱を忘れずに
「返事」をするというのは、指示を受けたときの第一声が肝心ということです。
相手に届くように、しっかり「はい」と返事をするのが基本です。
「返事」は長年の習慣が出やすいもの。
悪気なく返事を流している人は意外にも多いので注意しましょう。
どこの会社にも先輩のウケが良い後輩がいますが、共通して言えるのは「返事が爽やかである」ということ。
明るい返事はやる気、素直さを感じさせます。
「メモ」を取るというのは大事な行為です。
上司が指示を出すとき、最も不安になるのは、部下が「メモを取っていない姿」です。
いい加減に聞き流しているように見えるだけでなく、指示を忘れないか不安になるものです。
ただ、一から十まですべてをメモする必要はありません。
後で見たときにポイントがわかるよう、要約し手早くメモを取っていきましょう。
最後のポイントは、「復唱」すること。
「復唱」は指示を理解したことを伝えるだけでなく、上司の言葉を繰り返すことで無意識に好意を伝える効果もあります。
人は、自分に似た人を好む傾向があります。
自分と同じ言葉を使う人にもまた同じように好感を抱きます。
たとえば、「コピー30部お願い」という上司の指示に対して「はい」とだけ言うのと、「はい、コピー30部ですね」と復唱するのとでは印象がかなり違います。
このとき、復唱する言葉は同じ言葉を使うことがポイント。
「コピー30部お願い」と上司が言ったのに対し、「はい、プリントアウト30部ですね」と何気なく自分の言葉に言い換えると、上司は少し否定されたような気がするものです。
CA時代、お客様に「すいませーん!飴ちゃんある?」と聞かれたことがありました。
「はい、飴ちゃんあります。お持ちいたします」と私が言うと、お客様がニッコリ嬉しそうなお顔をされたのを思い出します。
このとき「はい、飴でございますね」と言うのは正しいかもしれませんが、距離を感じさせてしまいますよね。
これら3つのポイントは、相手が上司だけでなく、いろんな人に当てはまるものです。
相手が気持ちよくなる気遣いであり、また自分も「しっかりやろう!」と意識が高まる言動にもなるので、覚えておくといいでしょう。
【最初から読む】気遣いできないと評価がゼロも!?気遣いで変わる理由
元ANAのCAで4500回のフライトを経験した著者が会話や見た目などシーンごとに使える37の気遣いのコツを全5章で解説します