まるで少女のよう...。認知症の祖母が再び「おしゃれ」に目覚めたきっかけは.../ゆるりまい

仙台市で生まれ、夫と息子、母、猫3匹と「なんにもない」部屋で暮らす人気漫画家のゆるりまいさん。震災を機に一念発起し、長年「汚家」だった実家を「片付いた家」に変えた私ゆるりさんたち家族。その変化から、認知症で引きこもりがちだった祖母が、外の世界に興味を持つようになり......⁉

前回のエピソード:「汚家」から「キレイな新居」になって...引きこもりだった認知症の祖母に「驚きの変化」が!

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他者と接する機会が良い刺激に

長い間引きこもりがちだった祖母でしたが、デイサービスを利用するようになり、家族以外の人と接する機会が増えるようになりました。

すると、祖母にさらなる変化が訪れました。

自主的に自分の身の回りを整え出したのです。

いくつになってもおしゃれは大好き

この頃の祖母は中度の認知症。

引きこもりだった頃は自分の部屋を片付けないことはもちろん、体を清潔に保つことすらも億劫になっていて、セルフネグレクトに近い状態でした。

おしゃれなんて「忘却の彼方」にあったと思います。

でもやはり他者の目というのは大いに刺激になるらしく、施設に通うにつれ自主的に身支度を整えるようになりました。

この機を逃してはならないと、母や私が「せっかく外に行くのだからお風呂に入ったら?」と言うと「確かにそうねぇ」とすんなりお風呂に入るようにもりました。

(長くなってしまうので割愛しますが、この頃の祖母にとってお風呂に入るということは気持ち的にとても困難な行為のひとつでした)

また、祖母が好きそうな服を手に「これ着ていったら素敵じゃない?」とさりげなく誘ってみると、嬉しそうな顔でいそいそと着替える祖母の姿が!

それはまるで、おしゃれに目覚めたばかりの少女のようで......とても可愛らしかったことを覚えています。

ちなみに祖母は発症前はとてもおしゃれで、また、超がつくほど潔癖症でした。

だから私も母も、祖母のセルフネグレクトぶりには信じられない気持ちでいっぱいでした。

そして次第にその"身の回りを整える"行為は、片付けにも発展していきました。

元気だった頃から片付けには拒否反応が強かった祖母でしたが、進んで自分の部屋を整えだしたのです。

さすがに祖母が、自分自身で掃除用具を使って清掃をするということはできませんでしたが、私が「おばあちゃんの部屋に掃除してもいいかな?」と聞くと「あらお願いするわ」と快諾してくれたのです。

以前は別の部屋を掃除していただけで嫌な顔をされていたのに!!

脱!何から手をつけていいのか分からない状態

それからもそっと祖母の様子を見ていると、どうやら祖母は片付けが嫌いだったわけではなく、"何から手をつけていいのか分からない"状態だったようなのでした。

以前ならただなんとなく置いた場所が物の定位置になる...という状態でしたが、段々、「自分の使いやすい」かつ「戻しやすい」場所を定位置にするようになり、それによって簡単なプロセスで片付けが完了するので、祖母の部屋は散らかる頻度がぐっと減りました。

また入居の段階で、日常で使う物とそうではない物を思い切って区別し、日常で使う物だけを祖母の身の回りに置いたので、散らかる物も少なく、片付けしやすくなったようでした。

一時期は、片付けをするたび激しい衝突を繰り返していた祖母と私。

まさかこんな平和な日々が訪れるなんて...!と驚くとともに、「やっぱりキレイな空間が嫌いな人間なんていないんじゃないかな」なんて思ったりしたのでした。

【まとめ読み】ゆるりまいさんの「片付け」エピソード一覧♪

 

ゆるりまい

大人3人と子ども1人と猫4匹暮らし。 本当はなんにも持たないで生活したい、 そんな願望を持ちながら生きています。著書に『わたしのウチには、なんにもない。』なんにもない部屋で赤ちゃんを育ててみればKADOKAWAなどがある。

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