女性は知っておいて! 弁護士が教える「ストーカーからあなたを守る法律」/おとめ六法(1)

DVやハラスメント、性犯罪に娘のいじめ...「女性が巻き込まれやすいトラブル」は数多くあります。でも、そうした悩みを解決したくても、「誰かに相談したら逆に悪化するかも...」とどうしていいかわからない人も多いと言います。そこで、弁護士の上谷さくらさんと岸本学さんの著書『おとめ六法』(KADOKAWA)より、女性の味方になってくれる「法律」についてご紹介。ぜひ、ご自身やお子さんがトラブルの参考にしてください。

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「つきまとってくるストーカー」をめぐるトラブル

「ストーカー行為等の規制等に関する法律」は、「ストーカー規制法」と一般的に呼ばれます。

この法律は、同じ人に対してつきまとい等を繰り返すストーカー行為者(加害者)に、警察署長等から警告を与えたり、悪質な場合に逮捕したりすることで、被害を受けている人を守る法律です。

ストーカー規制法で規制の対象となるのは、「つきまとい等」と「ストーカー行為」の2つです。

具体的に、次の8つの行為が「つきまとい等」として禁止されており、繰り返すと「ストーカー行為」になる場合があります。

● つきまとい、待ち伏せ、見張り、住居等への押しかけ 例)学校や職場で待ち伏せ、尾行、自宅への押しかけやうろつき

● 行動を監視していることがわかることを告げる 例)帰宅したとたんに「お帰りなさい」と電話する

● 面会、交際などの要求 例)拒否しているのにしつこく面会や復縁を求める

● 著しく粗野、乱暴な言動 例)自宅まで来て大声で叫んだり、罵ったりする

● 無言電話、拒否したのに連続して電話、FAX、メール、SNS 例)しつこい電話やメッセージの送付、コメント欄へしつこく書き込む

● 汚物や動物の死骸などを送りつけ、嫌悪感や不安を与える

● 名誉を害することを告げる 例)名誉を傷つけるようなことを言う、そのような内容の文書を送り付ける

● 性的羞恥心を害することを告げる、文書等を送付する 例)わいせつ写真を送りつける、電話や手紙で卑わいなことを言う

これらの行為は、刑法の脅迫罪や強要罪にあたる場合もあります。

ストーカー行為についてもっと詳しく知りたいときは、各都道府県警のホームページが参考になります。

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©Caho

手続き

ストーカー被害にあっている場合は、遠慮せず早めに各自治体の「配偶者暴力相談支援センター」や警察に相談することがなによりも大切です。

ストーカーは、性犯罪や殺人といった凶悪犯罪にエスカレートする可能性があるためです。

相談する場所がわからない場合は、「#9110」に電話をすれば、相談窓口となる最寄りの警察署につないでくれます。

自宅についても対策を立てましょう。

ストーカーに自宅を知られている場合は、避難先となるシェルターを紹介してもらえたり、ホテル代を補助してもらえたりする場合があります。

ストーカーにあなたの自宅を知られていない場合は、身の安全を守るために、絶対に住所を知られないようにします。

住民票を置いている市区町村に相談すると、住民票の交付を制限する手続きをすることができます。

警察にストーカー被害の相談をすると、ストーカー規制法に基づいて、図のような流れで対応がなされます。

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【事例1】
どこからがストーカーになるのか判断がつかない。

【ANSWER】
自分だけで判断せずに、まずは警察に行って相談しましょう。仮に法律上のストーカーとはいえなくても、警察が相手に電話などで警告をしてくれるケースも多くあります。なお警察に行く際は、場合によっては事前に相談予約を取り、信頼できる友人や親族に同行してもらうとよいです。

【事例2】
ストーカー行為を受けている。ただ、相手は仕事や立場的に社会的な信用がある。警察はこちらの言い分を信じてくれない気がする。

【ANSWER】
まずはストーカー行為を受けている証拠を残すことが重要です。電話は着信記録を保存し、通話したときは録音しましょう。SNSの投稿はスクリーンショットなどで保存するとよいです。待ちぶせは、可能であれば防犯カメラを設置するなどして記録しましょう。こうした証拠があれば、警察もスムーズに動けます。後日、刑事事件や民事訴訟になった場合にも、これらの証拠はとても役に立ちます。

【事例3】
SNSでつきまとわれている。ブロックすれば収まる?

【ANSWER】
いきなりブロックすると、拒絶されたと感じて逆上される危険がありますのでやめてください。居場所を探されたり、家に押し掛けてくる可能性もあります。返信するのも、ストーカーとの関係性を継続することになってしまうため、やめるべきです。ブロックも返信もせず、画面を保存して警察に相談してください。


【あなたを守る法律】
ストーカー規制法 第1条 目的

1 この法律は、ストーカー行為を処罰する等ストーカー行為等について必要な規制を行うとともに、その相手方に対する援助の措置等を定めることにより、個人の身体、自由および名誉に対する危害の発生を防止し、あわせて国民の生活の安全と平穏に資することを目的とする。


ほかにも書籍では、恋愛・くらし・しごと・結婚など6つの章だてで、女性に起こりうる様々なトラブルに「どう法的に対処すべきか」が解説されていますので、興味がある方はチェックしてみてくださいね。

【まとめ読み】『おとめ六法』記事リスト

おとめ六法_帯あり.jpg六法やDV防止法、ストーカー規制法...。女性の一生に寄り添う大切な法律が、6章にわたって解説されています。

 

上谷さくら(かみたに・さくら)
弁護士(第一東京弁護士会所属)。犯罪被害者支援弁護士フォーラム事務次長。第一東京弁護士会犯罪被害者に関する委員会委員。毎日新聞記者を経て、2007年弁護士登録。保護司。

岸本学(きしもと・まなぶ)
弁護士(第一東京弁護士会所属)。第一東京弁護士会犯罪被害者に関する委員会委員。人権擁護委員会第5特別部会(両性の平等)委員。民間企業のコンプライアンス統括部門を経て、2008年横浜国立大学法科大学院を卒業。同年司法試験合格。金融庁証券調査官を経て、2010年弁護士登録。

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『おとめ六法』

(上谷さくら、岸本学/KADOKAWA)

恋愛、インターネット、学校、生活、仕事、結婚など、生活に必要な法律の概要を解説しています。従来の一般向けの法律書とは違い、女性の生活各場面に関連する法律をピックアップして分かりやすく解説しています。また、生じたトラブルにへの対処法もあわせて説明しています。女性の一生に寄り添う法律を網羅した、すべての女性の味方になる実用的な一冊です。

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※この記事は『おとめ六法』(上谷さくら、岸本学/KADOKAWA)からの抜粋です。

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