海外メディアの取材にも英語で答えるなど、高い英語力で知られるフィギュアスケーター・宮原知子選手。華やかなステージの裏には、スケートのみならず、英語にも積極的に挑戦してきた「さとこチャレンジ」の存在がありました。そこで、著書『宮原知子の英語術 スケートと英語のさとこチャレンジ』(KADOKAWA)より、スケート人生と英会話、二つの努力の軌跡と英語術をご紹介。きっと何かに挑戦するあなたのヒントになるはずです。
「努力できる」ということ
思い返してみると、「何かのせいにしない」というのは両親から繰り返し教えられてきたことでした。
試合でうまく滑れなかったときに「今日のリンクは氷がガタガタやったから......」などと口にすれば、「それは(氷のせいではなく)自分やで」と言われたものです。
こういった考え方には善し悪しがあり、なんでも「自分のせいだ」と考えると精神論につながってしまう面もあります。
特に私は、何か周囲から助言を受けると「言われたとおりにしなければだめだ」と思い込む性格。
「人のせいにしない」ことも真面目に徹底すれば、自分に原因を求めすぎて状況を客観視できなくなることもあるかもしれないとも思います。
それでも、フィギュアスケートという競技はメンタルの影響がとても大きいので、「氷の状態が悪くてもできる人はできる。最後は自分にかかっている」というような強い思いをもつことは必要ではないかと思っています。
何かのせいにしてしまえばそれを変えることはできませんが、「自分にかかっている」と考えれば、ものごとを良い方向にもっていくこともできるでしょう。
その意味でも、自分に対して厳しくありたいと思っています。
「がんばった」「やりきった」と思えるよう、自分が納得できるまでやりたい、できるようになるまでやりたいという気持ちはとても強いです。
他人と競うという意味では「負けず嫌い」ではありませんが、いつも心の奥に「自分に対して負けたくない」という思いをもって練習しています。
5章にわたってフィギュアスケートの宮原知子選手が、平昌オリンピックの舞台へ立つに至るまでの「スケート人生」、そして「英語学習」との両立への挑戦秘話が満載です。