血液サラサラ、美肌効果も!「酒かす」8つの健康効果

日本酒を醸造する過程でアルコール発酵したもろみを圧搾しますが、その際に出る副産物が酒かすです。いわば搾りかすですが、じつは酒かすは栄養が豊富で、調味料としても大活躍! 管理栄養士で料理研究家の村上祥子さんに、酒粕の健康効果について教えてもらいました。

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食べてよし! 飲んでよし! 調味料によし!の万能食材

酒かすには甘酒にして飲むことがよく知られていますが、野菜や肉を漬けたり、調味料として加えたり、いろいろと活躍してくれます。

また、さまざまな成分がバランス良く含まれているだけでなく、うま味がたっぷりで食品の保存性を高める効果も。さらに最近では健康への効果も、改めて注目されています。
常食すれば、糖尿病や肥満予防、アレルギー症状を緩和するなど、健康づくりに貢献してくれる酒かす。ぜひ毎日続けて摂ってみましょう。

酒かすの種類

酒かすは形状などにより、以下のようないくつかタイプがあります。どれを使ってもかまいません。

酒かすに含まれるアルコール度数は6~8%ほどで、加熱すればアルコール分は飛びます。

◎板かす...圧縮した酒かすをはがしたもの
◎ばらかす...大吟醸などの低温発酵で酒成分が多く残り、柔らかいので板状に取れなかったもの
◎練りかす...ペースト状に練ったもの

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健康増進に! 酒かすってこんなにすごい

必須アミノ酸が全て含まれる

酒かすは人が体内で合成できない必須アミノ酸9種類を全て含みます。

必須アミノ酸は食べ物から摂るしかなく、生命を維持するためには欠かせないものです。

糖尿病の予防

酒かすは糖の吸収を抑え、たんぱく質の分解・吸収を促進するので、糖尿病の予防に効果的です。

余分な糖の吸収を抑えれば肥満予防にも働きます。

腸内環境を整える

酒かす100gには約5gの不溶性食物繊維が含まれています。

不溶性食物繊維は腸の中で膨らんで便の量を増やし、ぜん動運動を促して腸内の老廃物の排出を促します。

美肌効果

酒かすにはビタミンB群が豊富です。

ビタミンB群は肌の代謝を高めてターンオーバーを促します。またセラミドも多く、シミの予防も期待できます

肝臓を保護する

体を酸化させる活性酸素が特に集まりやすいのが肝臓。

肝臓内で活性酸素を抑制する働きがある物質にグルタチオンがあります。

酒かすのたんぱく質が分解されてできるペプチドはグルタチオンと同等の働きをして、肝臓内の活性酸素を除去します。

高血圧を予防

酒かすには血圧の上昇を抑えるペプチドが6種類発見されていて、高血圧を予防、抑制する効果が期待できます。

血液をサラサラに

酒かすは血栓を溶かすウロキナーゼという酵素の合成を促し、同じく血栓を溶かすプラスミノーゲンも含んでいます。

また腸内の悪玉コレステロールを包み込んで、体外に排出する働きもあります。

アレルギー症状の緩和

アレルギー症状はカテプシンBという酵素が作り出す、免疫グロブリンが引き起こすものです。

酒かすにはカテプシンBの働きを阻害するペプチドが含まれていて、アレルギー症状の緩和が期待できます。

取材・文/石井美佐 撮影/中野正景

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<教えてくれた人>

村上祥子(むらかみ・さちこ)さん

管理栄養士、料理研究家。福岡県生まれ。公立大学法人福岡女子大学国際文理学部・食・健康学科客員教授。同大学内「村上祥子料理研究資料文庫」では50万点の資料が一般公開されている。これまでの著書は345冊、計740万部。

■村上祥子さんの「さば缶+魚缶」レシピが一冊に!

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「村上祥子さんのずっと健康でいたいから さば缶+魚缶大活用おかず」(『毎日が発見』健康ブック Kindle版)

定期誌『毎日が発見』の人気特集が1冊の電子ブックになって登場!第一線で活躍し続ける料理研究家・村上祥子さんが、人気のさば缶を使ったレシピを考案。「さば缶ときのこの甘酢煮」「さばともやしのスープ」「にらさば」「さばピーマン」など、さば缶と身近な野菜・食材だけで、短時間で作れる簡単なメニューが満載です。認知症予防に働くDHA、血液サラサラ効果のEPA、筋肉の合成を促す必須アミノ酸であるロイシンなどが豊富に含まれるさば缶を、管理栄養士でもある村上さんのレシピでぜひ使いこなしてください♪

空飛ぶ料理研究家 村上祥子のホームページ

この記事は『毎日が発見』2019年11月号に掲載の情報です。

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