
『お家がどこでも畑になる! 頑張らないカンタン水耕栽培』 (みかんぼーや/KADOKAWA)第3回【全7回】
水と液体肥料だけで植物を育てる水耕栽培。「土栽培に比べ失敗が少なく、成長が早い、農薬を使わない、管理しやすい、室内でもできる、といいことづくめです!」と話すのは、人気Youtuberのみかんぼーやさんです。画期的な水耕栽培方法を生み出し、収穫に大成功したのをきっかけにはじめた動画配信がSNSで話題になりました。著書『お家がどこでも畑になる! 頑張らないカンタン水耕栽培』(KADOKAWA)には、水耕栽培の基本から、プラカップ、ペットボトル、バケツやタンクで野菜を栽培する方法など、水耕栽培による家庭菜園の魅力が詰まっています。今回はこの本の中から、水耕栽培を始めるなら知っておきたいことをご紹介します。
※本記事はみかんぼーや著の書籍「お家がどこでも畑になる! 頑張らないカンタン水耕栽培」から一部抜粋・編集しました。
バジル
シソ科メボウキ属 / 多年草 / インド原産
芳醇な香りでイタリア料理に欠かせないバジル。
一年中栽培ができて、プラカップでも満足の収穫量が狙えます。

生育情報
発芽適温:20℃~30℃
室内栽培:◎
生育適温:15℃~30℃
好光性種子:半陰性植物
春まき◎
秋まき◯
発芽日数 7~14日/収穫日数 約60日
寒さに弱いバジルは暖かくなった4月頃に種をまいて育てるのが一般的ですが、室内であれば秋冬の栽培も可能です。今回は11月から窓際で育てたケースを紹介します。

11月24日 栽培スタート

切ったスポンジをフタの穴にセットしてカップに乗せます。カップの中に水道水を入れてスポンジを湿らせ、種を5〜6粒まきました。

スポンジの上から種が少し隠れるくらいバーミキュライトをかけます。発芽に光が必要な好光性種子なので陽の光が当たるところに置いておきます。水位はスポンジに触れている状態を保ちます。
12月4日 栽培10日目

発芽して本葉が出た頃、カップの水を液体肥料に変更します。液体肥料が減ったら継ぎ足しをして1週間に1回全交換しましょう。生育しながら元気な株をひとつ残して他は間引きします。
1月4日 栽培 41日目

草丈20センチくらいになったら収穫スタートです。ハサミの位置で茎をカットすると、すぐ下の脇芽が伸びてきます。これを【摘芯(てきしん)】と呼びます。
1月25日 栽培 62日目

脇芽が成長して葉がかなり増えました。また茎を切って摘芯をすると脇芽が2 つずつ伸びてきて、どんどん収穫量が増えます。
~根っこの管理について~

根は白いのが健康な状態です。根が腐敗することを【根腐れ(ねぐされ)】といいますが、そうなると根が茶色く嫌な匂いがします。予防としては液体肥料をこまめに交換し、培地が湿りすぎないように水位に気をつけましょう。
バジル増殖計画
収穫して残った茎の部分を使って、また新しく株を増やすことができる【挿し芽(さしめ)】という方法を紹介します。

小さな葉が残った茎を使います。スポンジに切れ目を入れてバジルの茎をはさんだら、フタの穴にセットしてカップに乗せます。茎の先が水に触れるようにして根が出るのを待ちます。

直射日光に当たらないところに置いておくと1週間ほどで新しい根が出てきます。これを【発根(はっこん)】といいます。ここからは水を液体肥料に変更して今まで通り育てます。

約1ヶ月で立派に育ちました。このやり方を【挿し芽(さしめ)】と呼びます。バジルはこのように簡単に増やすことができますのでたくさん収穫したいときはやってみてください。
豆知識
王様のハーブ
バジルは古代ギリシャで王家や貴族の香水に使われていたことから【王様の薬草】と呼ばれていました。名前の由来は古代ギリシャ語で【王様】を意味する【バシレウス】が語源になっています。
和名は『目箒~メボウキ~』
江戸時代(16世紀)にインドからヨーロッパを経て日本に伝わったバジル。種を水に浸すと表面が寒天状に膨らみ、カエルの卵のようになり、それを使って目のゴミを洗っていたことから和名では【目箒~メボウキ~】と名付けられました。シソ科メボウキ属はここ
から来てるんですね。








