「自分はまだまだ...」は超ポジティブ発言?外国人女性が気付いた日本人の強み

「食後にお皿をまとめる」「落し物を自分の物にしない」「見えないところで努力する」――。日本で長らく育ってきた方であればきっと普通のことだと感じるでしょう。でも、外国人からしてみると、実は想像できないほど不思議な行動だそうです。「幸せに生きるコツは日本で見つけた」という、来日30年を超えるアメリカ人女性が気付いたのは、この行動や考え方は世界に誇れるということ。外国人から見た、「日本人の本当のすごさ」についてお届けします。

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日本人にしか見えない高い理想

アメリカでは、「sense of entitlement(権利意識)」という言葉をよく使います。政治家が選挙活動のときに、「You deserve a better life.」(「あなたはもっとより良い生活を送っていいはずだ」「あなたはもっとゆたかになる権利がある」)ということを有権者に向かってくり返し示します。

アメリカ人は、特に大きな成果がなくても「契約通りの給料をもらって当たり前」「ポジションに合った手厚い待遇を受けて当然」といった権利意識が強いのです。

労働組合が強い国なので、その影響ではないかともいわれています(労働組合はもともと、労働に対する対価がきちんと支払われない、待遇が悪すぎるといった問題を解決するために、労働者が集まって正当な権利を獲得しようということで生まれたものです)。

サンフランシスコに住んでいる友人は、電車の乗り換えがわからず駅員さんに尋ねたら、足を机に載せ、携帯電話で話しながら「ちょっと待って」と言われたといいます。そんな怠惰な勤務態度は、日本では絶対に許されません。しかし彼のような人は、めずらしくありません。

何不自由ない生活ができる権利意識、仕事がもらえて当たり前、という権利意識......。そうした権利を要求するに足る自分かどうかは考えていないのです。しかし、それはアメリカ人の本来の姿ではありません。

アメリカ人は、もともとは自分たちの力で開拓し、栄光をつかみとろうとする精神をもっていたはずなのです。

一方、日本人を見ていると、一見控えめで権利意識があまりないように感じます。

日本人の口からよく聞くのは、
「私なんかまだまだです」
「こんな至らない自分を働かせてもらえるだけで十分」
「勉強させてもらいながら給料をもらえるなんてありがたい」
「こんな機会を与えてくださり、ありがとうございます」
「こんな名誉な場面に同席させてもらって感謝しています」
「いまの自分があるのは、支えてくれているみなさんのおかげです」
といった、非常に謙虚な言葉です。

10人中8人くらい権利意識が強い人のいるアメリカに比べて、日本は10人中2人くらいではないか、そんな感覚で見ています。自己アピールが強く、権利もきっちり要求する国で生まれ育った私には、こうした日本人の控えめな言葉をたくさん耳にし、最初は驚きでした。

ところが、ほんとうは日本人は、決して控えめなわけではないことがだんだんとわかってきました。日本人のこうした発言の奥には、「まだまだ感」があることに気づいたのです。何をやっても、いくつになっても、日本の人たちは「自分はまだまだ頑張る」という積極的な意識をもっています。

以前、スタッフの日本人女性に、賃貸契約に必要な書類の作成をお願いしたところ、細かいところまで行き届いた完璧なものが仕上がってきました。

私は感動して、「すばらしいですね。こんなにパーフェクトに整えてくれて、ありがとうございます!」と伝えたら、彼女は「いえいえ、まだまだです。もっと完璧を目指したいのですが、時間が十分でなくて......。次回はもっと頑張ります」と答えました。

私からすると、十分に完璧に見えるのに、もっと上を目指したいという彼女の向上心に感心しました。彼女のように、日本人の多くはつねにレベルアップしようと自己研鑽(じこけんさん)をつづけています。そういう人は当然、「もうマスターしているから、このままでいい」とあぐらをかいている人をそのうち追い越してしまうでしょう。

この意識があれば、日本人が日本を出たときに非常に強いです。「自分はまだまだ」という気持ちがあれば、だれに対しても上から目線にならないので、だれからも受け入れられ、仲間に入りやすくなるからです。

どこへ行ってもコアメンバーになれる。頼られる人になりやすい。そこから生まれるチャンスは山ほどあるでしょう。世界の距離がこれほどまでに近づき、国際化が進んだ現在だからこそ、みんなが過剰な権利意識を捨てて、日本人の「まだまだ感」に学び、謙虚になるべきですね。

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hokorinisitai_syoei.jpg39の「日本人の特長」がつづられた本書は、読むだけで何だかうれしくなります

 

 

ルース・マリー・ジャーマン

米国ノースカロライナ州生まれ、ハワイ州育ち。1988年にボストンのタフツ大学国際関係学部から(株)リクルートに入社し、以来30年間日本に滞在。2012年4月に(株)ジャーマン・インターナショナルを起業。日本企業と外国人の潜在顧客をつなげるため、経営戦略と営業・広告活動をサポートしている。2018年に日本企業のグローバル化トレーニングを行う「Train to Globalize」事業も立ち上げる。NHK教育テレビ「しごとの基礎英語」にてビジネスアドバイザーとして出演するなど、メディアでも活動中。

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『日本人がいつまでも誇りにしたい39のこと』

(ルース・マリー・ジャーマン/あさ出版)

見えないところで努力する日本人は、世界からかっこいいと思われている!?来日30年を超えるアメリカ人著者が、日本で見つけた「39の幸せに生きるコツ」。精神性や美意識、ビジネス論など、5つの観点から日本人をながめてみると、世界に誇れる気質がたくさん見えてくる。著者の体験談を交えて語られるエピソードは、まるで大好きな日本への愛情をつづったラブレター。きっと、日本人に生まれて良かったと感じられます!

※この記事は『日本人がいつまでも誇りにしたい39のこと』(ルース・マリー・ジャーマン/あさ出版)からの抜粋です。
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