姿勢は?目線は?毎日3分で心落ち着く「坐禅瞑想」のやり方

「体の不調」や「老後の貯蓄」などの心配事は、誰もが抱えているはず。考えすぎて心の重荷を増やす、嫌なサイクルに陥ってしまっている人もいるかもしれません。そこで取り入れたいのが「禅の習慣」。今回は、google本社で禅の講義を行う話題の禅僧による、「心配を取り除くための"ちょっとした思考のクセや生活の習慣を変える方法"」について、連載形式でお届けします。

※この記事は『心配事がスッと消える禅の習慣』(松原正樹/アスコム)からの抜粋です。

pixta_7654498_S.jpg前の記事:禅僧が教える坐禅の極意「泥水入りのコップを静かに置きなさい」/禅の習慣(9)はこちら。

 

■禅の習慣
あなたを平穏に導く、毎日2、3分の坐禅のやり方

日常の中では、深呼吸や歩く瞑想が取り入れやすいと思いますが、本格的な坐禅に興味がある方に向けて、少し説明をしておきましょう。

前述したように、「坐禅」という表記に使う「坐」という字は、土の上に人が二人向き合っている姿を表しています。座った姿勢で大地とのつながりを感じ、自我と自己が向き合う姿そのままです。

二種類の坐禅瞑想を紹介します。

【サマタ瞑想】
コップの話を思い出してください。泥水で濁ったコップを平らな場所に静かに置き、泥と水の区別がついてきた状態をサマタ瞑想と呼びます。

心が落ち着きを取り戻し、自己と向き合う準備が整います。


【ヴィパッサナー瞑想】
心の落ち着きを取り戻し、コップの中身は何であったのか、泥の中に枯葉や小虫を発見したように、洞察・観察をしてくことをヴィパッサナー瞑想と呼びます。

一切の判断をせず、湧き上がってくる感情、目に映るもの、耳に入ってくる音、鼻に感じる匂い、ありのままをそのまま受け止めます。「そういえば、手紙を投函するのを忘れていたな」、「お、いい匂いがした」、「どこかで工事でもしているな」。感じたことを感じたままに、ただ、受け止めます。瞬時の気づきを大切にします。「ポストはどこにあったかな。あの道を通って帰れば......」、「この匂いなんだろう。柑橘系かな」、「工事の音がうるさいな」と思うと、それは執着になります。深追いはせず、ただ、感じるだけでいいのです。
執着してしまうと、執着のスパイラルに陥ります。


また、瞬時の気づきは、「今、私はここにいる」「今、生きている」という気づきも与えてくれます。

心がザワついた状態では気づかなった姿かたち、音、匂い、それらに気づくことが坐禅に集中している証であり、脳がクリエイティブな状態になります。余談ですが、マインドフルネスでは、この状態を求めます。

では、次にやり方を説明していきましょう。

ここでは、誰もがハードルを感じずに取り組めるよう、より簡易的な方法でお伝えしていきます。

 

【姿勢】
足は、組みたい方、組める方は組みます。足裏が上を向くようにして右足を左の太ももの上に乗せ、反対の足も同様にします。これが難しい場合は片足を乗せるだけでもよいですし、あぐらをかくだけでけっこうです。足や腰の悪い方は無理をせず、椅子に腰かけましょう。

何しろ、ゆったりと座るのが基本です。

体を前後左右に揺らしたり振ったりして中心軸を作ります。体の中心が定まったら肩の力を抜き、背筋を伸ばします。右手を左手で覆うように重ねます。

 

【目線】
目をしっかり開けていても、完全に閉じていても、かまいません。開けている場合は1・5メートルくらい先を見るようにするといいでしょう。目を完全につぶると眠くなりやすいですし、半眼でもまぶたの重さに気づいて眠ってしまうことがあるので、気をつけましょう。

 

【呼吸】
姿勢や目線よりも大切なのが、呼吸です。
めちゃくちゃゆっくりな深呼吸をします。吸うときよりも吐くほうを大事に長くする。これが基本中の基本です。鼻から吸って、鼻から吐くようにしますが、鼻から吐くのが難しいときは、口から吐いてもかまいません。

もう少し本格的に取り組んでみたいという方は、心の中で「ひとーつ」、「ふたーつ」と数えましょう。「ひとー」で息を吸い、「つ」で息を吐きます。一回の呼吸に15秒くらいかけます。1~10まで数え、10まできたらまた1に戻ります。

 

【行う時間】
決まりはありません。私の場合は毎朝2~3分座るのを日課にしています。昼でも夜でも、毎日の習慣にしやすい時間に行うのがよいでしょう。

 

 

松原正樹(まつばら・まさき)

1973年、東京都生まれ。千葉・富津市のマザー牧場に隣接する臨済宗妙心寺派佛母寺住職。アメリカのコーネル大学東アジア研究所研究員。ブラウン大学瞑想学研究員。ベストセラー『般若心経入門』の著者で名僧の松原泰道を祖父に持つ。コーネル大学でアジア研究学の修士号、宗教学博士号を取得後、カリフォルニア大学バークレー校仏教学研究所、スタンフォード大学HO仏教学研究所を経て、現在に至る。グーグル本社で禅や茶道の講義をするなど、マインドフルネス界からも注目を集めている。ニューヨーク在住。アメリカと日本を行き来しながら、禅とマインドフルネスの橋渡し的存在として、国籍や人種、宗教を問わず人々の「心の救済」にあたっている。

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『心配事がスッと消える禅の習慣』

(松原正樹/アスコム)

ニューヨークを拠点にスタンフォード大学、コーネル大学、グーグル本社などで禅的な生き方、心をラクにする瞑想法を指導している、いまもっとも注目すべき禅僧のデビュー作。不安・恐れ・孤独感・心の苦しみがスッと消える「禅的生活」のススメが、分かりやすく丁寧に語られた話題の一冊です!

この記事は書籍『心配事がスッと消える禅の習慣』からの抜粋です

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