「アイン薬局」をはじめ全国で薬局を運営するアインホールディングスは、2024年6月1日に施行された調剤報酬改定で調剤基本料などが変動することなどから、20代~70代の男女600人を対象に、医薬品とお金に関する意識調査を実施。
物価高騰が続く昨今、「普段から節約を意識して生活をしている」と回答した人は9割を超えています。しかし、医師が発行する処方箋に基づき薬局で処方薬を受け取る際にかかる「医薬品費」の節約を意識できている人は少なく、8割以上の人が節約は難しいと考えている一方で、「処方薬をなるべくお得に購入したい」と考えている人も8割以上に上り、工夫の仕方がわからないという現状が明らかになりました。
普段から節約を意識している人は9割超。しかし「医薬品費」まで意識できている人は1割未満
普段から節約を意識して生活している人は 91.7%。しかし「医薬品費」の節約まで意識できているのは7.3%と1 割未満でした。
節約を意識している人でも86.2%が「医薬品費を節約することは難しい」と答えています。その一方、86.5%が「処方薬をなるべくお得に購入したい」と望んでいました。
医薬品費の節約術の中で「ジェネリック医薬品を選択する」は認知率75.8%、実践率61.7%とともに高く、一方で「調剤技術料が安い薬局を探す」は認知率7.3%、実践率2.0%と低く、ほとんど知られていませんでした。
薬局の種類によって支払う金額が異なる理由、8割以上が「理解していない」
薬局選びで重視することTOP3は、「かかった医療機関に近い」「自宅に近い」「待ち時間が少ない」。節約術としては認知度の高い「ジェネリック医薬品」ですが、「ジェネリック医薬品を積極的に取り入れている」という条件を重視する人は2割未満となりました。
また、薬局には「門前薬局」「敷地内薬局」などの種類があることは、46.7%が「知らなかった」と回答しています。さらに種類があることを知っている人でも、それらの違いによって薬局で支払う金額が異なり、その理由まで理解している人は 15.0%にとどまる結果となりました。
さらに、約4割の人は「調剤明細書」を読まず、調剤明細書をチェックする人でも 52.9%は内容を理解できていないこともわかりました。
節約アドバイザー和田由貴さんに聞く、薬局の賢い選び方・使い方
この調査から、節約意識が高まる中においても、処方薬費(医薬品費)の軽減はできておらず、したくても方法がわからないという実態が見えてきました。そこで、節約アドバイザーの和田由貴さんに薬局の賢い選び方・使い方のアドバイスをいただきました。ぜひ参考にしてみてください。
薬局によって支払う金額が違うなんて!「調剤明細書」を理解して医薬品費を賢く節約
医師から発行された処方箋を薬局に出して、お薬を受け取るとき、「調剤明細書」も一緒に受け取ります。これを見ないのは、実はとてももったいない! 明細書には点数(1点=10円)が書かれていますが、お薬自体の価格である「薬剤料」だけでなく、薬局に支払う手数料のようなもの(「調剤基本料」「薬剤調製料」など)もあり、私たちはそれらも合わせてお薬代として支払っています。
このうち、「調剤基本料」は、薬局の立地や形態・規模によって違います。「門前薬局」「敷地内薬局」などの違いを認知している人は約半数と少ないのですが、点数の低い薬局を利用すると、同じお薬でも薬局で支払う金額が異なり、節約することができます。
ほかにも、お薬手帳を持参することで薬剤料以外の点数を抑えられることもあります。「調剤明細書」を見る習慣をつけて、どの項目を節約できるのか考えてみましょう。
オンラインも上手に使って無駄なく薬局を利用しましょう
タイパやコスパを重視するのであれば、オンライン服薬指導の利用も便利です。自宅にいながらスマホやタブレットで薬剤師の服薬指導が受けられて、決済もでき自宅にお薬が届きます。医療機関もオンラインで受診できるので、デバイスの使い方に慣れている方には向いているのかもしれません。お薬手帳もアプリを使えば忘れたりしないので、入れておくと便利ですよ。何かと値上がりが続く今、薬局を賢く選んで、活用していきましょう。
ここ数年の物価の上昇で節約したいと考える方がとても増えています。ただ、医療費やお薬代になると、「節約したくてもできない」「お金がかかってしまうのはしょうがない」と思っている方が多いようです。そういった方は薬局の選び方・使い方を見直してみてはいかがでしょうか。
■「20 代~70 代男女に聞く、医薬品とお金に関する意識調査」 調査概要
調査期間:2024年4月26日~30日
調査方法:インターネット調査
調査対象:1年以内に薬局を利用した全国の20代~70代の男女 600 人(男女各300人ずつ)
調査委託先:マクロミル
※構成比(%)は小数第2位以下を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合があります。
※本調査における「薬局」とは、医療機関で医師が発行する処方箋に基づいた処方薬を患者が受け取るところを指し、「医薬品」とは医師が発行する処方箋に基づいた処方薬を指します。