安心できる「手作りおやつ」のススメ/95歳の料理研究家・鈴木登紀子さんの食卓

発酵食品が腸内で有用な働きをすることは知られています。ぜひ、積極的に食べて健康長寿を目指しましよう。95歳の料理研究家「ばぁば」こと、鈴木登紀子さんのご自宅で「昼食」と「おやつ」を見せていただきました。

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だし汁を作り置きするだけで、家庭の味は格段に変わります

昼食は、うま味の効いたつゆで作る鴨南蛮そばです。

ゆでたそばに、焼き目をつけた長ねぎと鴨肉を盛り付け、つゆを張ってできあがり。

「段取り良く作るコツは、あらかじめ"だし汁"を作り、冷蔵庫にストックしておくこと。普段の食事には削りがつおだけでも十分においしいおだしが作れますよ」と、ばあば。

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「段取り、盛り付け。おいしくいただく工夫をするのは頭の体操ですよ」というばぁば。昼食の鴨南蛮そば。「野菜も魚もまんべんなく食べますが、元気が出るのはお肉。年をとると筋肉が落ちてくるので、積極的にいただきます」

作りやすい"かつおだし"の分量は、水4カップに削りがつお30g。

鍋に入れた水が煮立ったら、削りがつおを一度に加え、アクを取りながら2~3分ほど煮出して火を止めます。

粗熱が取れたら、ボウルの上にざるを重ね、固く絞ったふきんを広げて、だし汁をこします。

ふきんに上げた削りがつおは、絞らずに自然に汁けをきるのが、おいしく作るコツだそうです。

「日本そばのおだしは、だし汁3:酒1:みりん1。かつお節は、鹿児島・枕崎の本枯節を使っています。カビ付けと天日干しを繰り返して作られる本枯節は、仕上げるのに3カ月~半年と手間がかかるので、お値段もはりますが、使うとびっくりするほど家庭料理の格が上がります。なかなか味が決まらないと悩んでいらっしやる方や、インスタントのだしに頼っている方は、一度使ってみると、発酵食品の本物の確かさが分かりますよ」

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自宅の料理教室でも、生徒さんたちがいちばん楽しみにしているのは、ばぁばのこうした料理講義。

料理をしながら、食材を生かす知恵、段取り、美しい盛り付け、そして食事のマナーまで、講義は尽きないのだそう。

この日も、休むことなく講義をしながら手を動かし、昼食の鴨南蛮そばと同時に、おやつも完成です。

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「おやつも、どの器によそうか考えるのが楽しみね。好きな器でおやつをいただくと、しみじみと、―息つけるものです」

「今日のおやつは、白玉ぜんざいよ。昔は、どの家にも乾物の小豆や白玉粉が常備してあり、手作りのおやつを作ったものです。でき合いのスナック菓子より安心でしょう。しかも小豆は、食物繊維がとても豊富。発酵食品と同じように腸を整える役割を果たしてくれます。健康のためには、ビタミン豊富なフルーツも大切ね。缶詰でもいいので常備しておくと、おもてなしにも役立ちます」

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「ふっくら煮た大納言小豆があれば、白玉ぜんざいがすぐに作れます。白玉だんごは、白玉粉を耳たぶほどのやわらかさに練り、湯に放ち、浮き上がってきたら冷水に取つてできあがり。フルーツがあれば、フルーツ白玉も簡単にできますよ」とばぁば。

ひと手間を楽しむ

「手作りおやつは安心よ。小豆、フルーツ、コーヒーゼリーはいつも用意しています」というばぁば。

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最近のお気に入りは、練乳をかけていただくお手製のコーヒーゼリー。おやつも、ひと手間で楽しく!

取材・文/丸山佳子 撮影/工藤雅夫

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<教えてくれた人>

鈴木登紀子(すずき・ときこ)さん

日本料理研究家。1924年、青森県八戸生まれ。自宅で始めた料理教室をきっかけに、46歳で料理研究家に。 NHK 「きょうの料理」に40年以上出演。近著に『ばあばの100年レシピ』(文化出版局)がある。

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この記事は『毎日が発見』2020年3月号に掲載の情報です。

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