ものが捨てられないシニア世代でも、半分捨てられるようになる!? そんな方法を考案したのは整理収納アドバイザーの阿部静子さん。「1日5分1スペース」「ソファにはものを置かない」などのルールを守るだけでリバウンドしないと大人気です。今回は阿部さんのメソッドをまとめた著書『ハンカチは5枚あればいい』(すばる舎)から、「スペース別の片付けポイント」の一部をご紹介します。
わが家のフタ付きケースは元々キャスターが付いていたタイプ。あまり取り出さないもの(娘の思い出のもの)を収納して。(撮影/回里純子)
思い出が詰まった押し入れは家中を片づけた後、「一番最後」に
いよいよ押し入れ・納戸です。
思い出があるものが詰まっており、難しく感じるかもしれません。
片づけサポートに伺ったお宅で、押し入れにものがぎゅうぎゅうに詰まっていて、布団が外にはみ出していることも珍しくありません。
押し入れに布団が入りきらないので、新しく収納棚を買い、「その収納棚が邪魔で、押し入れの戸の開閉がしにくくなった」と、新たな悩みを作っているお宅もありました。
ただ、新たな収納棚を買うのは、ものを減らしてからです。
押し入れの場合も、ものを減らして片づければ、布団が中にちゃんと収まる場合が多いのです。
収納棚を新しく買う必要がないので、まずはものを減らしてみてください。
押し入れのような大きい場所を片づけるときのポイントは、一気にやらないこと。
天袋、上の段、下の段と分割して、少しずつ作業しましょう。
時間をかけて一気にやろうとすると、嫌になる原因になります。
やり方は、この3ステップです。
(1)全部出す→(2)要不要に分けて不要なものは手放す→(3)「用途別」「頻度別」に分類して収納する
収納ケースは家にあるもので間に合うことも
まずは、本当に必要なものだけを残し、あとは手放します。
ものを減らしてから、収納です。
ものを取り出す頻度によって、2つのケースを使い分けると便利です。
よく取り出すものは、引き出しタイプのケースに入れて手前に収納。
そして、あまり取り出さないものはフタ付きのケースに入れて、奥に収納します。
中身が見えるプラスチックケースなら、何が入っているかわからなくなることはありません。
また、押し入れは奥行きがあるので、引き出し、フタ付きのどちらのケースにもキャスターを付けておくと、取り出しやすくなります。
100円ショップで粘着テープ付きのキャスターが売っているので、手持ちのケースに貼ってもOK。
せっかくものを減らしたので、なるべく増やさないようにしたいですね。
物置部屋は、本来の部屋として使えるように
片づけサポートで伺う多くのお宅には、「物置部屋」があります。
ひと部屋が物置になっていて、相談者さんからは「片づけて客間にしたい」「高齢の親と同居するための部屋にしたい」というご要望があります。
順番としては、押し入れを片づけて、ものを入れる空間を作ってから、物置部屋に取りかかります。
やり方は同様です。
ただし、押し入れ以上にスペースが広く、ものもたくさんあると思うので、一気にやらないこと。
4~5カ所にゾーン分けし、今日はここだけ、明日はこっちと少しずつ進めましょう。
ものが少なくなると、みなさん「床が見えた!」と感激されます。
実際、マンションが手狭になり、広い一戸建てに引っ越し予定だった方が、片づけたらひと部屋空いたので引っ越しをやめたということもあります。
片づけるだけで、大きな買い物をしなくて済みました。
【最初から読む】これでリバウンドなし! 家の片づけ重要なのは「順番」
「玄関」「クローゼット」「キッチン」など6つのスペース別片付け術はわかりやすくで始めやすい! 「ハンカチは5枚」の理由もわかります