眠れない、だるい...といった年齢とともに増える体の不調。「薬膳なら解消できます」と言うのは、テレビで活躍しながら国際薬膳師の顔も持つ麻木久仁子さん。そんな麻木さんの著書『生命力を足すレシピ』(文響社)から、「薬膳の基本」や疲れにくくなる「薬膳レシピ」をご紹介。今日の献立にひと工夫を。
5つの「色」を意識する
初めて薬膳を取り入れるときにおすすめするのは「色を意識すること」です。
食材の色にはそれぞれ意味があり、体のあらゆる機能と関連しています。
たとえばレタスやほうれん草などの青い食材は、熱やイライラを鎮めてくれたり、牛肉やトマトなどの赤い食材は、血液を補い、血の巡りを良くしてくれる働きがあります。
まず手始めに、とりあえずお膳の中に青・赤・黄・白・黒の5色が入るように気をつけてみてください。
あまり難しく考えず、「ちょっと黒が足りないな」と思ったら、おひたしに海苔をまぶすとか、「白がほしいな」と思えば白ごまをふるとか、それくらいのことでいいのです。
毎日実践していると、おのずとバランスがとれたごはんになってきます。
薬膳の理論は奥深くて面白いのですが、はじめから難しく考えることはありません。
できることから少しずつ実践してください。
下は、それぞれの色ごとに分けた食材のリストです。
毎日の食事を彩り豊かにすることが、生命力アップにもつながるのです。
●青
【機能】熱やイライラ、気分の高揚を鎮める
【食材】レタス、三つ葉、ほうれん草、セロリ、菜の花、ブロッコリー、アスパラガス、春菊、セリなど
●赤
【機能】血液を補い、血の巡りを良くする。元気と活力を与えてくれる
【食材】トマト、にんじん、カツオ、マグロ、牛肉、レバー、ぶどう、いちご、赤ピーマン、赤ワインなど
●黄
【機能】胃腸を整える
【食材】じゃがいも、かぼちゃ、パイナップル、とうもろこし、アボカド、しょうがなど
●白
【機能】皮膚や呼吸器系を潤す
【食材】白米、パン、うどん、豆腐、牛乳、れんこん、かぶ、白菜、大根、たまねぎ、白きくらげ、白ごまなど
●黒
【機能】アンチエイジング、滋養強壮
【食材】わかめ、ひじき、昆布、海苔、黒きくらげ、椎茸、黒豆、黒ごま、あさりなど
症状別や季節に合わせた70の薬膳レシピを集めた料理本。食材図鑑など薬膳の基本が身に付きます