あずきをゆでる際に出る灰汁(アク)、捨ててしまっていませんか? 灰汁ごと使うことが、健康への近道になるかもしれません。管理栄養士で料理研究家の成澤文子(なりさわ・あやこ)さんに「あずきの健康効果やアレンジレシピ」について教えてもらいました。
冬太りの解消にもお役立ち
あずきには、大豆の4倍以上の抗酸化作用が
古くから「薬」として用いられてきた「あずき」。
ポリフェノール、カリウムといった栄養素を豊富に含み、生活習慣病の予防や血糖値の改善などの効果が期待できるとして、再び注目を集めています。
また、これまで灰汁は主成分であるサポニンに毒性があるとして取り除かれていましたが、近畿大学の調査により、毒性がほぼないことが分かりました。
「煮汁ごといただくことで、あずきに含まれるポリフェノールやビタミンB群、カリウムなどを逃さず摂取できます。砂糖を加えていないので、お粥や汁物などアレンジも自在。小分けにして冷凍すれば、1カ月程度保存できます」(成澤さん)
※保存期間は目安です。保存状態などにより異なる場合があります。
※保存容器は清潔で完全に乾いたものを利用してください。
「あずき」はココがスゴイ
●豊富に含まれる「ポリフェノール」で、抗酸化作用、血流改善、骨粗鬆症や血糖値の改善などに期待大
●外皮に含まれる「サポニン」のパワーで、コレステロールや中性脂肪の増加を防ぐ
●塩分の尿中への排出を促す「カリウム」が豊富
●「食物繊維」が多く、免疫向上をサポート
基本の「あずき煮汁」の作り方
150gあたり21kcal/塩分0.8g
材料(作りやすい分量/完成時の総重量約370g)
あずき(乾燥したもの)...1/2カップ
水...500ml
(1)あずきはザルに入れ、水を張ったボウルか流水で、ごく軽くこすりあわせるように優しく洗う。
(2)直径18~20cm程度の鍋にあずきと水を入れ、フタをせずに強火にかけ、沸騰させる。
(3)沸騰したら弱火にし、フタをして40分ほど煮込む。あずきがやわらかくなれば完成。
新豆の場合は、30分ほど煮たら様子を見て
「あずき煮汁」のアレンジレシピ
あずき煮汁のみそ仕立て
あずきの栄養をそのままいただける一杯。
富山県では郷土食として古くから愛されています。
1人分115kcal/塩分1.2g
材料(2人分)
あずき煮汁...1カップ だし汁...1カップ みそ...大さじ1
油揚げ...1/2枚 えのきだけ...1/2パック 細ねぎ...適量
作り方
(1)油揚げは半分に切って細切りに。えのきだけは根元を落とし、半分の長さに。細ねぎは小口切りにする。
(2)鍋にあずき煮汁とだし汁を入れて火にかけ、沸騰したら油揚げとえのきだけを入れて火を通す。
(3)みそを溶き入れ、細ねぎを加えたら火を止める。
あずき煮汁ラテ
はちみつで甘味をつけることで、灰汁の苦味が抑えられます。
ホットにして飲んでも。
1人分108kcal/塩分0.1g
材料(2人分)
あずき煮汁...1/2カップ 牛乳...1カップ
はちみつ...お好みで小さじ2~3
作り方
全ての材料をグラスに入れ、よく混ぜ合わせる。
※温める場合は、耐熱グラスに入れて電子レンジへ。スプーンを付けて供し、かき混ぜながらいただくと飲みやすくなる。
取材・文/和栗 恵 撮影/齋藤ジン 栄養計算/成澤文子