「紙の通帳」有料化Q&A
●有料化以前に作った口座は手数料がかかる?
すでに作って持っている口座は有料化の対象外になります。深田さんは「みずほ銀行なら1月18日以降に、三井住友銀行なら4月以降に開設した口座の紙の通帳が有料化の対象になります」と注意しています。また、それぞれ対象年齢が決められていることも気を付けたい点です。
●手数料を支払わない場合、どうなるのでしょうか?
どちらの銀行でも、該当の口座から手数料は自動引き落としになるため、残高不足などの場合には手数料の未払いが起こります。「みずほ銀行では一定期間手数料の支払いがない場合は自動的にデジタル通帳に移行になります」と、深田さん。三井住友銀行も通帳発行手数料は同様ですが、「未利用手数料の1,100円を支払わない場合は、口座残高を手数料として引き落とした上で、口座は自動解約になります」と注意。
●紙の通帳とデジタル通帳、両方利用することはできる?
有料化実施以降は、みずほ銀行でも三井住友銀行でも、併用はできません。「どちらか一つを選ぶ必要があります」と、深田さん。他の金融機関が今後同じような方針を取った場合も同様で、併用することは難しいでしょう。
●しばらく記帳していない紙の通帳があるのですが...
みずほ銀行では1年以上未記帳、三井住友銀行では2019年3月以降に3年以上未記帳なら、自動的にデジタル通帳に切り替わることになっています。「銀行の店舗に行けば、紙の通帳を無料で再発行してもらえますが、紛失時は手数料1,100円がかかります。このルールは既存顧客も対象なので要注意です」(深田さん)
●デジタル通帳で過去の取引明細を全て見られる?
みずほ銀行の場合は最大10年分、三井住友銀行は最大30年分の取引明細を見ることができます。ただし、「これはデジタル通帳を使い始めてからの話なので注意が必要です」と深田さん。デジタル通帳に切り替える前の取引明細は、紙の通帳でなければ確認することはできません。「デジタル通帳に切り替える前の取引明細を残しておきたい場合は、移行直前に紙の通帳に記帳し、保管しておく必要があります」
日本と世界の大問題『どーなるゼミナール』その他の記事はこちら
取材・文/仁井慎治 イラスト/やまだやすこ