管理栄養士で料理研究家の村上祥子さんに、脳の栄養と呼ばれる「卵黄コリン」について教えていただきました。
「脳の栄養」と呼ばれる卵黄コリンに注目!!
卵はアミノ酸、ビタミン、ミネラルをバランスよく含んだ「完全栄養食品」。
特に卵黄に含まれる脂質の中にはリン脂質と呼ばれるものが30%含まれています。
そのリン脂質のほとんどが、ホスファチジルコリンといわれる成分です。
高知医科大学(現高知大学)学長であった、アルツハイマー型認知症の権威・池田久男博士は、ラットを使って認知症やパーキンソン病を予防改善する研究を行ってこられました。
ホスファチジルコリンを含むリン脂質を「卵黄コリン」と命名して研究を進め、その結果、ビタミンB12と卵黄コリンをいっしょに摂ると認知症が劇的に改善されることを突き止めました。
こうしたことから卵黄コリンは「脳の栄養」などと呼ばれたりもしています。
リン脂質は普通の脂肪のようにエネルギーのもとになるのではなく、血管や神経の細胞膜を作る材料となります。
ほかにも血中のコレステロール値を下げる、血液の凝固を防ぐ、肝臓機能を強化する、皮膚の細胞を活発にすることなどが分かっています。
動脈硬化、高血圧、脳卒中の予防などに働きかけ、心筋梗塞、脳血栓の予防、肝硬変や肝炎、シミ、小じわ、肌荒れの予防や改善にも効果があると考えられています。
取材・文/石井美佐 撮影/スタジオCOM(中野正景・江口 拓)