日々健康で明るく過ごすための源となるのは、「食べ飽きないふだんのごはん」。ですが、飾らない家庭料理ほどごまかしがきかず、意外と難しいですよね。新鮮な素材選び、調理のひと手間、火加減......。特別な素材や技術がなくても、ほんの少しの工夫で、ぐっとおいしく仕上がるものです。
本書『ふたりのごはん』では、ホテルオークラ元総料理長の根岸規雄さんと料理研究家の石原洋子さんご夫妻が、日々の食卓を紹介。旬の素材を基本的な調味料でおいしくいただくアイデアの数々を学び、シンプルかつ豊かな食生活を楽しみましょう。今回は4回目です。
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やわらかでクリーミーな極上の味
〈フレンチトースト〉
フレンチトーストはホテルオークラの看板メニューです。以前アメリカの大統領が来日したときにお出ししたら「世界一の味」とおほめの言葉をいただき、それ以来フレンチトースト目当てでいらっしゃるお客さまが増えました。我が家でも、ときどきオークラ時代の方法でフレンチトーストを作ります。分厚い食パンを、前の晩から卵液に浸し、じっくり焼くのがポイント。牛乳と卵と砂糖だけのシンプルな味ですが、ちょっとしたコツで絶品になりますね。ここでは、ホテルでしたようにパンの耳は切ってふわふわに仕上げましたが、ご家庭では手軽に耳つきで作っても、おいしいと思います。(規雄)
【材料】(2〜4人分)
食パン(4枚切り)...2枚
〈浸け込み液〉
・牛乳...400ml
・卵...2個
・砂糖...30g
サラダ油...少々
〈お好みで〉
・メープルシロップ、バター、ラズベリー、ブルーベリー、スペアミント...各適量
【作り方】
1. パンは耳を切り、半分に切る。
2. ボウルに浸け込み液の卵を割りほぐす。
3. 牛乳、砂糖を加えて混ぜ合わせる。
4. 3の浸け込み液を一度こす。
5. パンを浸け込み液に浸す。途中一度返す。
6. 一晩浸ける。液がほとんどなくなった状態にする。
7. フッ素樹脂加工のフライパンに、油をキッチンペーパーにつけたもので軽く塗り、6のパンを並べて弱火で6〜7分焼く。
8. 片面が焼けたらひっくり返す。崩れやすいので手でていねいに。
9. ふたをして弱火で6〜7分焼く。焦げつかないよう注意する。
10. 色よく焼き上げる。※器に盛り、バター、季節のフルーツなどを盛り合わせ、メープルシロップを添える。
お好みで夏は冷たく冷やし、サラダ菜をたっぷり添えた冷フレンチトーストで、別な味わい方を楽しむことができます。
パンの耳はおやつに
切り取ったパンの耳はグラニュー糖や粉チーズをふって、オーブントースターでこんがり焼くとおやつに。残さずいただくのが根岸流。
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撮影/南雲保夫