運動や食事制限など「長続きしないこと」ってありますよね。でもそれは「続けること」に頑張って疲れてしまっているからかもしれません。そこで、家計簿をつけることで「ダイエットを習慣化」するメソッドが話題となった『家計簿つけたら、ヤセました!』(川下和彦/あさ出版)から、三日坊主にならない「節約しながらダイエット」の方法を連載形式でご紹介します。
買い物したらすぐにデータを入力する
なぜ私は普通の家計簿ではなく、デジタル家計簿(スマホアプリ)を推奨するのか?最大の理由は「スマホは肌身離さず持っているから」である。
紙の家計簿とペンを持ち歩いていると荷物になるし、買い物するたびにカバンからノートを取り出して記帳するのは大変だ(しかも、現実的ではない)。
レシートを取っておいて、まとめて週末に記録することもできないわけではないが、貯まってしまうと記録が負担になり結局あきらめて長続きしなくなる。
一方、自分のスマホに家計簿アプリをインストールしておけば、買い物した瞬間にポケットやカバンからスマホをサッと取り出し、レシートをパシャリと撮影してデータを取り込むことができるし、チャカチャカッと手でデータを入力することもできる。
小さなノルマも累積すると大きな負荷になるので、貯まる前に片付けられる仕組みをつくることが大切なのだ。
デジタル家計簿をつけるとなると、1日に何度もスマホでデータを入力しなければならないので、大変だと思われるかもしれない。
ところが、スマホで家計簿をつけ始めた当初の、私の買い物回数を試しにカウントしてみると、以下のようになった。
・バスに乗って出勤する
・会社近くのコンビニで飲み物を買う
・昼食をとる
・打ち合わせの合間に飲み物を買う
・夕食をとる(飲み会のときもある)
・バスに乗って帰宅する
※飲み会のときはタクシーを利用することも
ご覧の通り、平日の買い物回数は平均5回~7回で、多くても10回を超えることはほとんどなかった。
もしこれを1週間分貯めると、週平均35回~49回になってしまうので、入力する気が削がれてしまう。
しかし、いつも持ち歩いているスマホを使えば、すぐにデータ入力を済ますことができるのである。
デジタル家計簿をつけるのが面倒だと思うこともいいことである
でもスマホを使って、簡単に買い物データを入力できるようになったからと言って、家計簿をつけるのが面倒なことに変わりはない。そう思われる方も、少なくないだろう。とはいえ、つらくてつらくて数日ももたない、というほどでもない。
この適度な面倒くささが、思いがけない効果を生む。「家計簿をつけるのはちょっとめんどくさい」という感覚を、上手に利用することができれば、ますます節約効果を高め、貯金を促進させることができるのだ。
そう言われても、まだピンと来ない方がほとんどだろう。たとえば、ダイエットのためにランニングを始めるとする。最初の数日は続くが、次第に走るのがしんどくなる。そのうち、自分は意志が弱いから「やっぱりだめだ」と、ギブアップしてしまうのはよくある話だ。しかし、スマホで家計簿をつける場合は、他の習慣とは少し違った変化が生まれる。
では、一体どうなるのか?紙と鉛筆ほどではないにせよ買い物するたびに、いちいちカバンやポケットからスマホを取り出してレシートのデータを入力するのは、誰だって手間に感じるものだ。すると、
「ちょっと喉が渇いたからジュースを飲みたい」
「ちょっと小腹が空いたからお菓子を食べたい」
などのちょっとした買い物欲求が出てきても、そのちょっとした欲求に屈したら、それだけのためにわざわざスマホで家計簿をつけなければならない。それなら、この買い物はやめておこうと考え、本当に必要な買い物しかしないようになるのだ。
本当かなぁ?そう思われた方は、ぜひ一度試してみてほしい。スマホで家計簿をつけ始めた私の友人も、「家計簿をつけること自体を減らしたいと思うことも、買い物を減らすことにつながっていった」と、実体験を語ってくれた。このように、家計簿をつける面倒くささが、無意識な出費に対する抑止効果を生むのである。
大抵の習慣は、回数を減らした分だけ効果も落ちるが、家計簿をつける習慣は回数を減らした分だけ貯金効果が上がるのである。
イラスト/高田真弓
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1部で著者に起こった変化、2部でそのメソッドが解説。実際に使ったという家計簿アプリも紹介されています