ダイエットは頑張るから続かない?よく分かる「三日坊主」の原因

運動や食事制限など「長続きしないこと」ってありますよね。でもそれは「続けること」に頑張って疲れてしまっているからかもしれません。そこで、家計簿をつけることで「ダイエットを習慣化」するメソッドが話題となった『家計簿つけたら、ヤセました!』(川下和彦/あさ出版)から、三日坊主にならない「節約しながらダイエット」の方法を連載形式でご紹介します。

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人はなぜ習慣化に失敗するの?

今年こそはダイエットするぞ!年末年始に英気を養い、手垢のついていないピカピカの新しい1年を前にすると、ムクムクと意志の力が芽生えてくる。

三が日が終わる頃には、ガソリンも満タン。「思い立ったが吉日」とばかりにジムに入会!「今年の自分は去年までの自分とはひと味違うぞ!」と意気込み、新年の抱負を実現させるためにスタートからアクセルをベタ踏みする。

<1日目>高く掲げた目標へと続く急な坂もなんのその。エンジンを吹かして意気揚々とジムに向かい、新調したトレーニングウェアとシューズに着替える。なまった身体には少々堪えるが、はりきって複数の種目をこなす。

<2日目>朝目が覚めると、筋肉痛で全身がきしんでいる。それでも、まだ始めたばかりで意志の力は残っているので、「エイヤッ!」と布団をはねのけ、ジムに向かう。「今度こそ続けるぞ!」と自分に言い聞かせながらプログラムを遂行。でも、すでに心も体もクタクタだ。

<3日目>つらい。もっと寝ていたい。柔らかい布団に沈み込む重たい体が重力に逆らえずにいる。意志の力も残り少ない。「やっぱり無理かもしれない......」という気持ちと、「三日坊主になってたまるか!」という気持ちを闘わせ、なんとかジムまではたどり着くも、最小限のメニューで切り上げる。

<4日目>もはや体は鉛のようになっている。体を動かそうと何度キーを回しても、意志の力は底をついており、もはやエンジンがかからない。「ここで終わってなるものか!」という思いとは裏腹に、「今日できなければ、明日やればいいさ」と枕元でささやく"先送り悪魔"の誘惑に負け、動けないまま試合終了のホイッスル。あえなく習慣化の努力は3日で途絶えてしまった。

皆さんにもこんな経験はないだろうか?米国の経済誌Forbes が行った調査によれば、新年に立てた抱負を達成できる人の割合は、たった8%だと言う。またThe New York Times によれば、75%がたった1週間でギブアップしてしまうそうだ。

つまり、新年の抱負を立てた人のうち、1週間で75%が脱落し、最終的には92%が挫折してしまうということである。なぜこれほどまでに多くの人が、習慣化に失敗し続けるのだろうか?それは、意志が弱いからではない。

むしろその反対で、意志の力を使おうとしてしまっているからなのだ。

「意志の力」は必要ない

フロリダ州立大学の心理学者ロイ・バウマイスターは、「自我の消耗」という言葉を使い、意志の力は使えば無くなっていく「ガソリン」のようなものであると考えた。

そして、同氏はこのことを証明するために、「焼き立てのチョコレートチップ入りクッキーを載せたお皿の隣に学生を座らせる」という実験を行った。

学生たちのうち、ひとつのグループはクッキーを食べることを許可され、もうひとつのグループは我慢するように命じられた。その後、両方のグループが、難しいパズルを完成させることを求められた。

クッキーの我慢を強いられたグループは、「我慢の蓄え」がすでに消耗しており、新しい課題を与えられるとすぐに投げ出した。一方、意志力を保存していたと見られる、クッキーを食べたグループは、パズルに対してより長い時間取り組んだ。(出典:2012年10月10 日 WIRED)

人を自動車にたとえるなら、意志の力はガソリンである。アクセルを踏んでガソリンを使えば、最初は勢いよく走り出せるかもしれない。もちろん、燃料タンクの大きさには個 人差があるとしても、自動車に積んで走れるガソリンが有限であることに変わりはない。

調子に乗ってアクセルを踏めば、あっと言う間にガソリンは無くなってしまう。そして、結局92%の車─つまり「人」がガス欠でストップしてしまうのだ。

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習慣化に失敗した人たちは、口をそろえて言う。「頑張っているのに続かない。結局三日坊主で終わってしまう」と。実は、失敗の本質は、すでにこの言葉の中に含まれている。

そう、「頑張らなければいけない習慣化」に、取り組んでいるから失敗するのだ。習慣を定着させ、目標を達成するためには、「頑張らなくてもいい仕組み」をつくる必要がある。

私自身も例外ではなかった。長年「目標を達成するためには意志の力が必要だ」と、信じてきた。しかし、毎年抱負の達成に向けてトップスピードで走り出しては、いつも道半ばでエンストするという結果に終わってきた。

振り返ってみれば、私は努力と根性があれば何とかなると思い込み、習慣化の技術を身につける前に、意志の力を使っては挫折を繰り返していたのだ。

もし習慣化の技術をマスターした今の自分が、昔の自分にアドバイスするとしたら、こう言うだろう。「習慣化に成功したいなら、意志の力を使おうとしてはいけない」と。

イラスト/高田真弓

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040-syoei-cover_asa_kakeiboOL.ai2.jpg1部で著者に起こった変化、2部でそのメソッドが解説。実際に使ったという家計簿アプリも紹介されています

 

川下和彦(かわした・かずひこ)

1974年、兵庫県生まれ。大学院修士課程を修了後、2000年広告代理店に入社。家計簿の習慣化によって、3カ月で18kgのダイエットに成功。今でもリバウンドしていない。趣味(と実益)は、お酒と筋トレ。41歳にして習慣化の極意を体得し、人生が変わった。目下、人生快走中!

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『家計簿つけたら、ヤセました!』

(川下和彦/あさ出版)

無理な食事制限もせず、ハードな運動もなし。なのに、3カ月で18kgものダイエットに成功した著者が行ったのは、ただ「家計簿をつけた」だけ。意志が弱く、何をやっても続かない多くの人に勧めたい「三日坊主」脱出本。ダイエットだけじゃなく、あらゆることに応用できます。

※この記事は『家計簿つけたら、ヤセました!』(川下和彦/あさ出版)からの抜粋です。

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