恋愛における男女の「認識のズレ」を描いた漫画『先輩は綺麗な人だった』。SNSに投稿するなり10万いいね! を獲得した本作のリメイク版が公開され、話題になっています。作者の理系女ちゃん(@rikejo_chan)さんにお話を伺いました。
職場の先輩に恋した男性。先輩はどう思っているの...?
職場の先輩に恋をした新入社員の男性主人公。彼は自分の教育担当になった先輩の女性に好意を抱き、さまざまなアプローチ方法で距離を縮めようと努力します。
しかし後半、先輩女性に視点が切り替わった途端、作品の空気は一変します。先輩視点で描かれた後輩の男性は、まるで先輩につきまとうストーカーのよう...。彼が良かれと思っていたアプローチ方法は、ただ先輩を怖がらせているだけなのでした。
あなたは気付いた? それぞれの「自己評価」が反映された見た目
ーー 男性視点では好青年のような見た目だった男性が、女性視点では小太りで目つきの鋭い見た目で描かれています。今回のテーマを扱ううえで、このような「表現の工夫」は他にもされたのでしょうか?
セリフの面言うとナレーションを全く入れなかったことです。それぞれの視点に限定することで中立的な情報を一切排除しました。
絵を描く上では、セリフに合わせてそれぞれがどう見えているのか、自己評価が高い男性は自分を美化してしまう、人に強くあたれない女性は自己評価が低いため自身のコンプレックスが気になる、等を意識して描いています。
中立的な情報が一切描かれないことで、どちらの主張が「事実」なのかが曖昧なままエンディングを迎える本作。読者にゆだねられた「余白」こそが本作の魅力の1つなのかもしれません。