今が旬の冬野菜、ブロッコリー。なんとなくゆでて食べている、という人も多いのでは? でも実はブロッコリーはビタミンCやマグネシウムほか、貴重な栄養がぎゅっと詰まった野菜なのです。今回は、管理栄養士で料理研究家の村上祥子(むらかみ・さちこ)さんにそんなブロッコリーの健康効果についてお聞きしました。
ビタミンCはほうれん草の3.4倍
風邪の予防やウイルスに対する抵抗力を高め、活性酸素の除去にも欠かせないビタミンC。ブロッコリーは、ほうれん草のなんと!3.4倍も含んでいます。2、3房を食べれば、一日に必要なビタミンCが摂れます。
強力な抗酸化成分
イソチオシアネート
ブロッコリーに含まれるファイトケミカルのイソチオシアネートは、がんや老化の予防、免疫力アップ等の効果が期待されています。アブラナ科の野菜は、がん予防効果の高いデザイナーフーズ(アメリカ国立がん研究所)の上位にあります。
不足しがちなマグネシウム
マグネシウムは筋肉を緩めたり、骨の形成や代謝に関わるミネラルです。不足しがちといわれていますが、ブロッコリーには豊富に含まれています。足がよくつる人は、マグネシウム不足も一因として考えられます。
クロロフィルが血流を改善
ブロッコリーの緑色の成分は、ファイトケミカルのクロロフィルです。クロロフィルは血流を良くして鬱血の改善や血栓、動脈硬化を予防する効果と関連があると期待されています。
購入後は早く食べる
一年中出回りますが、旬は11~月。花蕾がしまり、こんもりして緑色の濃いものが良品。鮮度が落ちるのが早いので、購入後は早く食べ切るか冷凍保存します。花蕾の一部が紫色のものは、霜に当たって変色した良品でゆでると緑色になり、味に変わりはありません。
こちらも注目!
《スルフォラファンが豊富》なブロッコリースプラウト
ブロッコリースプラウトはイソチオシアネートの一種、スルフォラファンという成分が豊富なことで知られています。スルフォラファンはがんや腫瘍の予防効果が期待されていて、近年とても注目を集めている成分です。生でそのままサラダなどに足すのがおすすめです。
取材・文/石井美佐 撮影/スタジオCOM(中野正景)