いまや健康を語る上で欠かせない「腸」の健康。腸がしっかり働いていないと、栄養がうまく吸収されないだけでなく、体に必要なものが作られない可能性があり、さまざまな不調や病気のリスクが高まります。少しでも早いうちから腸内環境を整えておくことが大事です。今回は、みなと芝クリニック院長の川本 徹(かわもと・とおる)先生と管理栄養士の成澤文子(なりさわ・あやこ)さんに「腸パワーがアップする『ゆでるだけ里芋』と『ブロッコリーのオイル蒸し』と活用レシピ」について教えてもらいました。
【前回】悪玉菌を減らして腸内環境を良くする「すりりんご酢」レシピ
腸を強くする食事術
善玉菌を増やして免疫力もアップ
ゆでるだけ「里いも」
50gで23kcal/塩分0.6g
常備菜:冷蔵で4日程度
※保存期間は目安です。保存状態などにより異なる場合があります
材料(作りやすい分量)
里いも(小)...300g
みそだれ
・みそ...大さじ1
・みりん...大さじ1/2
・砂糖...小さじ1
ごま塩
・すりごま(白)...適量
・塩...適量
作り方
(1)里いもはたわしでこすり洗いし、頭とお尻を少し切っておく。
(2)鍋に入れてかぶるくらいの水を注ぎ、火にかける。沸騰してから15~20分、竹串がすっと通るまで加熱し、ザルに上げる。
(3)粗熱が取れたら皮をむく。お好みで、みそだれやごま塩をつけていただく。
かんたんアレンジ
ゆずこしょうポテトサラダ
1人分89kcal/塩分0.7g
材料(2人分)
ゆでるだけ里いも...5~6個(200g)
(A)マヨネーズ...小さじ2
(A)しょうゆ...小さじ1/2
(A)ゆずこしょう...小さじ1/2
かつお節...適量
万能ねぎ(小口切り)...適量
作り方
(1)里いもは皮をむいてボウルに入れる。へらでざっくり潰し、(A)をあえる。
(2)器に盛ってかつお節を振り、万能ねぎを散らす。
かんたんアレンジ
ゆで里いもともずくのしょうが煮
1人分66kcal/塩分1.0 g
材料(2人分)
ゆでるだけ里いも...4~5個(150g)
生もずく...80g
(A)だし汁...100ml
(A)しょうゆ...小さじ2
(A)みりん...小さじ2
(A)しょうが(せん切り)...少々
作り方
(1)里いもは皮をむいて1cm幅の輪切りにする。もずくは洗ってザルに上げる。
(2) 鍋に(A)を入れて火にかけ、(1)を入れて2~3分加熱する。
※一度冷ますとよく味がなじみます。
《腸が強くなるヒミツ》
里いもなどのネバネバ系食材には、水溶性食物繊維が充実。ネバネバは糖たんぱくでできた粘液状の物質で、水分の保持力が高く、多くの水分を吸着した状態で大腸に入るため、便を柔らかくしてくれる効果も。
腸の働きを助けて消化を促す
「ブロッコリー」のオイル蒸し
50gで48kcal/塩分0.2g
常備菜:冷蔵で3日程度
※保存期間は目安です。保存状態などにより異なる場合があります
材料(作りやすい分量)
ブロッコリー...1株
オリーブ油...大さじ2
塩...小さじ1/6
作り方
(1)ブロッコリーは小房に分ける。軸は根元の硬いところを除いて皮をむき、食べやすく切る。
(2)フライパンにオリーブ油とブロッコリー、塩を入れて中火にかける。
(3)全体に油が回ったら水大さじ2(分量外)を回し入れて蓋をして、弱めの中火で3分加熱する。水けが残っていたら水分を飛ばし、保存容器に入れる。
かんたんアレンジ
たらとブロッコリーのみそマヨ焼き
1人分202kcal/塩分1.2g
材料(2人分)
ブロッコリーのオイル蒸し...120g
玉ねぎ...1/4個
生たら...2切れ
(A)マヨネーズ...小さじ4
(A)みそ...大さじ1/2
作り方
(1)玉ねぎは薄切りにする。
(2)たらは水けを拭き、アルミホイルの上にのせる。混ぜた(A)を塗って周りに(1)をのせる。トースターで7分焼き、ブロッコリーをのせてさらに2~3分加熱する。
かんたんアレンジ
ブロッコリーとしらすのオープンオムレツ
1人分152kcal/塩分1.0 g
材料(2人分)
ブロッコリーのオイル蒸し...100g
卵...2個
(A)酒...小さじ1
(A)しょうゆ...小さじ⅓
サラダ油...少々
しらす干し...15g
粗びき黒こしょう...適量
作り方
(1)卵は溶きほぐし、(A)を混ぜる。
(2)小さめのフライパンにサラダ油を熱し、(1)を流し入れる。
(3)ふちの卵液を中央に寄せるように混ぜながら加熱し、半熟になったらしらすとブロッコリーをのせて蓋をして蒸し焼きにし、粗びき黒こしょうを振る。
冷凍ブロッコリーは?
冷凍ブロッコリーはレンジで加熱すると水っぽくなりがちなので、炒め物や汁物、煮込み料理などに使うのがおすすめ。短時間で火が通るので時短にもなります。
《腸が強くなるヒミツ》
ブロッコリーには腸のぜん動運動を促すパントテン酸が豊富。しかし、パントテン酸は水溶性ビタミンのため、ゆでると栄養素が汁に溶け出し減少してしまいます。蒸すことで栄養素をしっかり残すことができます。
取材・文/寳田真由美(オフィス・エム) 撮影/米山典子 スタイリング/片野坂圭子 レシピ制作・監修・栄養計算/成澤文子