胃腸の粘膜を保護・回復し、がん予防の成分も! 「キャベツ」の栄養と使い切りレシピ

水分が多いので葉がやわらかく甘味もたっぷりの春キャベツ。生でも食べやすいのが特徴です。5月末くらいまでが最盛期なので、生で、煮込んで、酢キャベツにして、いまだけのごちそうです。今回は、管理栄養士で料理研究家の村上祥子さんに、キャベツの栄養と使い切りレシピを教えてもらいました。

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内葉
ほどよいやわらかい食感と甘味。生でも加熱にも向いていますが、中心に近いほど甘味が強いので、煮物などにするとおいしい。

外葉
外側の葉ほどファイトケミカルが多く含まれていて、炒め物などが向いています。レンチンで回鍋肉もおすすめ。

レンチン回鍋肉(ホイコーロー)

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1人分77kcal/塩分1.5g

材料(2人分)
キャベツの外葉...2枚(200g)
豚もも薄切り肉(2cm幅に切る)...1枚(20g)
(A)赤みそ...小さじ2
(A)オイスターソース...小さじ1
(A)ごま油...小さじ1
白いりごま、こしょう...各少々

作り方
キャベツはポリ袋に入れ、口は閉じずに耐熱皿にのせ、電子レンジ600Wで2分加熱する。取り出して軸の部分は、斜め薄切り。葉は2等分して重ね、3cm幅に切る。耐熱ボウルに(A)を入れ、豚肉を加えて絡め、キャベツをのせ、ふんわりとラップをする。電子レンジ600
Wで3分加熱。取り出して混ぜ、いりごまとこしょうを振る。

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ビタミンCとKが豊富
ビタミンC含有量は淡色野菜中トップクラス。また血液の凝固促進や骨を作るのに必要なビタミンKもたくさん含んでいます。

キャベジンで知られるビタミンU
キャベジンの正式名称はビタミンUです。胃酸の分泌を抑制して胃腸の粘膜を保護・回復する効果があり、胃潰瘍や十二指腸潰瘍を改善します。

繊維を断ち切るのが効果的
イソチオシアネートを効率的に摂るには、切る、する、つぶすなど野菜の繊維を断ち切るのが効果的です。またビタミンCやUは水溶性なので、スープや煮物は汁ごといっしょにいただきます。

ファイトケミカルががんを予防
辛味成分のイソチオシアネート(ファイトケミカル)が発がん物質を無毒化します。これまでの研究では、食道がんや胃がんを予防・改善する効果が認められています。

取材・文/石井美佐 撮影/スタジオCOM(中野正景)

 

<教えてくれた人>

管理栄養士 料理研究家
村上祥子(むらかみ・さちこ)さん

福岡県生まれ。公立大学法人福岡女子大学国際文理学部・食・健康学科客員教授。同大学内「村上祥子料理研究資料文庫」では50万点の資料が一般公開されている。

この記事は『毎日が発見』2022年5月号に掲載の情報です。
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