「この人苦手だな、と思ったら...」蛭子能収さん流「他人との距離のとり方」

テレビ東京系列で放送中の『太川蛭子の旅バラ』では、独特な語り口でお茶の間を和ませている蛭子能収さん。10月には、『死にたくない 一億総終活時代の人生観』も発刊されました。著書にまつわるお話や夫婦円満の秘訣など、さまざまにお伺いしました。

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「いちばん楽しいのは、競艇に行くこと(笑)。でも、時間もお金もかかるから最近はあまり行けてないんだよね」と蛭子さん。

人付き合いの基本は自分の好きなことを知る

――さっそくですが、今回の著書のタイトルはどんな思いからつけられたのでしょう?

もともと人生の目標として「死にたくない」というのが大前提にあります。死んだら終わりだから、とにかく死にたくはないなって。

生きていれば楽しいことは必ずあると、ずっと思っているんです(笑)。

だから今回、自分にしては珍しく、「老い」や「家族」、そして「死」の問題について思うところをまじめに考えて、まとめることになりました。

そして、書き進めるうちにやっぱり「死にたくない」というのがいちばんしっくりくるなと思ったんです。

――著書の中で、「人とは争わないようにしている」と書いていらっしゃいますが、人付き合いの上で大事にされていることはどんなことでしょう?

人間関係を築くのがすごく苦手で、なかなか人と親しくなれないんです。

少し親しくなっても、常に早くその場から去りたいという気持ちがどこかにあるので。

性格的に、誰かがいると必ずその人の言う通りにやってしまうんです。

だから、1人でいる方が自分の好きなように動けて、そっちの方が面白い。

だから昔から、友達を積極的に作ることはないんですよね。

――他人とうまく距離をとって心地よく生きるには、コツがあるのでしょうか?

まず、自分が好きなことは何か分かっていないといけないなぁと思います。

例えば、僕の場合は競艇とかね。

うちの兄貴もそうなんです。競艇場でばったり会ったりするんです。それで、「ばいばい」ってあいさつして別れたりする。競艇場だけで会っているような兄弟(笑)。

それから、他人にはあまり余計なことをしないように心がけています。あまり関わり合いたくないというか...。

余計なことは言わないし、何か頼み事もしない。もしも不快なことを言われても、大概、反論もしません。

とはいえ、もちろん日常会話程度は普通にしますよ。

それから、この人苦手だなと思ったときは、なるべく帰れるタイミングを見計らって、その一瞬を逃さない。

「じゃあ、僕はこれで。用事があるので」と。用事がなくてもそうします。

それこそ二度と会わない覚悟で、「すみません! 帰ります」と言って立ち去ります。でも、そういうことはめったにないかなぁ(笑)。

軽度認知障害の診断でポジティブに変化

――5年ほど前にテレビ番組の企画の中で軽度認知障害と診断されたそうですね。その後何か対策はされていますか?

指摘された当初は少しトレーニングをやったりしたこともあるんですが、特に生活に支障はないので、自分でも病気だとは思っていないです。

もの忘れはちょっと多くなりましたが。

不安に押しつぶされるよりも「ちゃんとやらなくては」と、自然と考えられる自分に変われたように思います。

そういえば、最近は脳トレにいいと言われている健康マージャンを時々やっています。

ただ、僕は人の顔色とかまったく読めないから、負けてばっかりなので面倒になってしまうんですよね。もっと真剣にやったら、脳のトレーニングにもなるかもしれないんですけれどね(笑)。

取材・文/笑(寳田真由美) 撮影/齋藤ジン 

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蛭子能収(えびす・よしかず)さん

漫画家・俳優。1947年、長崎県生まれ。73年、漫画雑誌「ガロ」に『パチンコ』が掲載され漫画家デビュー。80年、漫画家専業に。ヘタウマな作風が人気を博す。80年代後半からはタレントとしても活躍。『太川蛭子の旅バラ』(テレビ東京系列、毎週水曜18:55~)放送中。

この記事は『毎日が発見』2019年11月号に掲載の情報です。

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