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※この記事は『[図解]身近な科学 信じられない本当の話』(涌井貞美/KADOKAWA)からの抜粋です。
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千葉県の地層に残された確かな証拠
地磁気(ちじき)の北極と南極は〝逆転〟する
地球には3種の極があります。北半球でいうと、地軸と地表との交点である地理的北極、方位磁石の倒立(とうりつ)する点である北磁極、そして地球を棒磁石と見立てたとき、その棒と北半球の地表との交点である地磁気北極です。
方位磁針(じしん)が南北の磁極を指すのは、地球が大きな磁石だからです。
磁石には通常「磁石」と呼ばれる永久磁石と電流でつくる電磁石があります。地球の磁石は前者ではありません。地球内部はあまりに高温で、永久磁石が存在できないからです。
地球は電磁石なのです。この電磁石のしくみはまだ解明されていませんが、地球内部で高温に融(と)けた金属の層が対流し、磁気をつくる電流が生まれると考えられています。
地球の磁気の向きは、なんと数万年~数十万年単位で繰り返し逆転しています。
その最後の逆転の証拠が、千葉県市原(いちはら)市にある地層で見つかりました。層の中の鉄粒に残された磁気の向きを調べたところ、時代の違う上下の地層で磁気の向きが反転していたのです。
この市原市の層が区切る地球の一時期(約12万6000年前~77万年前)はチバニアン(ラテン語で「千葉時代」)と命名され、その名は国際的認証が得られようとしています。
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