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※この記事は『[図解]身近な科学 信じられない本当の話』(涌井貞美/KADOKAWA)からの抜粋です。
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惑星であるための4つの条件。
冥王(めいおう)星が惑星から外はずされた理由
昭和の教科書には、太陽系の惑星が「水金地火木土天海冥」の順で記載されています。しかし、2006年の国際学会で、最後の冥王星は準惑星に降格されました。
なぜ冥王星は降格されたのでしょうか。それは、惑星が次の4つの条件を満たす天体と定義されたからです。
1.太陽の周りを回る天体
2.自分の重力により球形をした天体
3.軌道(きどう)の近くで他の天体を掃(は)き散らした、突出して大きな天体
4.衛星ではない天体
冥王星は、このうち3番目の条件を満たしていません。太陽系外縁(がいえん)天体が冥王星の軌跡と重なるからです。
太陽系外縁天体とは、氷の小天体からなると思われる天体群で、カイパーベルトという呼び名のほうが知られているかもしれません。大きさが少し足りなくて重力が小さいために、冥王星は周りの小天体をきれいに掃き散らしたり、吸引したりできなかったのでしょう。
太陽系は宇宙では身近ということで、よく理解されていると思われがちですが、実は未解明なことばかりです。特に彗星(すいせい)の故郷ともいわれる太陽系外縁天体の外側(オールトの雲)については多くの謎が残っています。