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※この記事は『[図解]身近な科学 信じられない本当の話』(涌井貞美/KADOKAWA)からの抜粋です。
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プレソーラー粒子に見る太陽誕生以前の痕跡。
太陽は星の残骸を集めて光る
宇宙の出発点は、138億年前のビッグバン。それから数億年して最初の星が誕生したと考えられています。太陽は46億年前に生まれました。つまり、太陽は宇宙創成後の何世代か後の星ということになります。
太陽はその先祖の星の痕跡を、隕石(いんせき)に含まれる粒子に残しています。この粒子をプレソーラー粒子といいます。
ある種のプレソーラー粒子の中の炭素と窒素に着目してみましょう。炭素や窒素には安定した2つの種類の原子(同位体)があります。炭素でいうならC12とC13です。その存在比率を調べることで、太陽を生んだ母なる星がどんなものかがわかります。
その結果、太陽をつくった親の星の1つは新星であることがわかりました。新星とは、死を迎えて巨大化しつつある星からすでに死んで青く輝く白色矮星(はくしょくわいせい)へガスが流れ込み、その白色矮星の表面に降り積もったガスが核爆発を起こして現れる星です。
生物では遺伝子を調べて先祖がわかりますが、星では原子を調べて先祖がわかるのです。
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