やさしい手ぬいを提案する高橋恵美子さんのきものリフォーム。今回は体形やサイズを気にすることなく着られる「ゆったりシルエットのチュニック」をご紹介します。
緩やかなAライン。全身がふわりと包み込まれるような優しい着心地です
きもの地の中の1色と、スカートの色をそろえてコーディネート。胸元をきれいに見せるえりぐりの程よいあきもポイント。
ご紹介するチュニックは体形やサイズを気にすることなく、誰もが安心して着られる、軽やかな一枚。
風薫る季節のおしゃれを楽しめるようにと、高橋さんが、窮屈さを感じない形を提案してくれました。
ゆったり着られる理由は、チュニックをぬい始める前のひと手間。
36cm幅のきもの地を3枚ぬい合わせて(下記参照)、広幅の布を作り、身幅を広くしています。
広幅の布ができたら、あとは実物大型紙を使って身頃と袖を裁ち、ぬい合わせるだけ。
とても簡単です。
ブラウス感覚でロングベストを羽織る着方もおすすめ。
ゆったりサイズの秘密
きもの地を3枚ぬい合わせて身頃を作ります
写真は、きものをほどいたところ。縦が着丈(95〜100cm)、横がきもの地の幅(36cm前後)。
3枚を中表にぬい合わせ(ぬい代2cm)、104cm幅の布に。この布から身幅たっぷりのチュニックを作ります。
実物大型紙を使って身頃と袖の布を裁ち、下記の手順でぬい合わせてできあがり。丈は好みで変えましょう。
袖は動きやすいバルーン形
袖口にゴムを入れて仕上げます。ここで使った素材は、薄手の夏きもの・絽ろ 。透け感とと
ろみがあり、春の日差しを受けてきれいです。
裾の揺れ感もすてき
人の動きに合わせて揺れるシルエットも、身幅をたっぷりとっているからこそ生まれるもの。横姿や後ろ姿も目を引きます。
スカート、バッグ、ピアス、シューズ、ジレ/全てヨーガンレール ヨーガンレール (電)03-3820-8805
きもの地の色柄や素材によって、こんなに雰囲気が変わります
パンツ/ヨーガンレール
紬地独特のハリとこしが魅力。身頃のAラインやバルーン袖の印象もがらりと変わって新鮮です。
紫色のチュニックは上と同じ形。
紬地を使ったら、ハリのある仕上がりになりました。
こんな風に、素材によってイメージが変わるのがリフォームの醍醐味。
できあがりを想像しながら素材を選ぶ時間も楽しいものです。
作り方も上のチュニックと同じ。きもの地を3枚ぬい合わせ、身幅たっぷりに仕上げています。