やさしい手ぬいを提案する高橋恵美子さんのきものリフォーム。定期誌『毎日が発見』11月号のきものリフォームは「ほどかないで作る」がコンセプトです。今回は羽織の形を最大限に生かして作る「ハーフ丈のコート」をご紹介します。
軽くて暖かなコートをご紹介します。
素材は羽織。
もともと秋から春にかけてジャケット感覚で着るものですから、その形を最大限に生かして"ほどかずに"作ります。
袖は外さず、脇や背、裾のぬい目もそのままですから、とても簡単。
きものリフォームが初めての方も、気軽にトライしてみてください。
ゆったり首元を包むえりとボタンがおしゃれ。冬のお出かけ着の定番になります。
リフォーム前
ここで使用したのは袷あわせ(裏地付き)の羽織。裏地も外さずにそのまま作るので背中も暖か。寒さが増してくる晩秋にぴったりです。
羽織の袖下をカット
袖下を写真のように裁てばコートの原形になります。あとはえりを外すだけ。詳しい裁ち
方は次ページをご覧ください。
できました!
袖下をぬい、えりとボタン、ボタン用のループをぬえばできあがり。羽織丈がそのままコートの着丈になります。
【POINT】針通りのいいきものを選びましょう
作り始める前に、写真のように針をきもの地に通して針通りの良さを確認します。すいすい針が通ると、リフォームがぐんと楽しくなります。おすすめの手ぬい用絹針は、「四ノ三」(太さ0.56×長さ39.4mm)。
さらりと羽織るだけでおしゃれ。
絹の軽やかさが魅力です
ワンピース、スカーフ/共にヨーガンレール ピアス/suHa(ワイス・ワイス トゥールス) ヨーガンレール (電)03-3820-8805 ワイス・ワイス トゥールス (電)03-5647-8355
大判のスカーフを合わせました。ボタンを外して着ると、歩みに合わせて裾が揺れてすてきです。
ボタンを留めると...
緩やかなVネック。ボタンがアクセントになります。
すっきりした後ろ身頃も羽織の形を生かしています。
色柄次第で雰囲気一変。
これがきものリフォームの魅力です
ニット、スカート、バッグ/全てヨーガンレール ピアス/suHa(ワイス・ワイス トゥールス)
ボタンを留めると、えりがふわりと立ち上がります。
作り方は、上のコートと同じ。
羽織の色柄を変えただけなのに、こんなにイメージが
変わりました。
たんすに眠っている羽織があったら、2枚作ってみるのも楽しそう。
おしゃれの幅がきっと広がります。
コートの下はスカートでもパンツでも。どんな服にも似合うハーフ丈です。
ほどかないで作れます
裁ち方も上のコートと同じです。袖下をカットしてえりを外すだけ。
↓
できあがり。