いろいろなステッチを組み合わせて色とりどりの糸で刺すというイメージの刺繍。1種類の刺し方、1色の糸で刺してみると、落ち着いた雰囲気の作品に! 今回は「Embroidery Studio ECRU」を主宰し、刺繍の普及や後進の育成に努めている、大塚あや子(おおつか・あやこ)さんに「ボタンホールステッチ」について教えてもらいました。
ポーチ
縁飾りはボタンホールステッチ。イニシャルはクロスステッチで。
刺繍といえば、いろいろなステッチを組み合わせて色とりどりの糸で刺すというイメージですが、1種類の刺し方、1色の糸で刺すと、落ち着いた雰囲気の作品に仕上がります。
刺し方が簡単なボタンホールステッチで試してみましょう。
ボタンホールステッチは文字通り、ボタンホールを作るときに刺す方法ですが、布端に刺すと縁飾りに。
また、組み合わせて平面に刺すこともできます。
刺す幅の間隔をあけると、ブランケットステッチになります。
クロスステッチは目の詰まった布は難しそうですが、「抜きキャンバス」というアイテムを使うと、布目を数えるのが楽になります。
ステッチのクロスを組み合わせると優雅なイニシャルも刺せます。
ハンカチ
ボタンホールステッチの縁飾りにクロスステッチでイニシャルを。
コースター
布の端を折ってボタンホールステッチを間隔をあけて刺して。
刺繍糸の扱い方
刺繍糸は、6 本撚りで8mの長さがあります。
これを12等分して約65cmの長さに切り分けて使います。
(1)刺繍糸の糸端を見つけて引き出し、1本にする。
(2)半分に折り、さらに半分に折ると2m長さになる。さらにこれを3等分する。
(3)はずした紙筒を糸に通す。紙筒が糸の中央にきたら、下の輪の部分を切る。
(4)糸を3等分して軽く三つ編みにする。使うときは紙筒の間から1本ずつ取り出す。
ボタンホールステッチで縁飾り
使う道具と材料
はさみ 刺繍枠 刺繍針 刺繍をしたい布 刺繍糸
刺し方
布端の折り方を参考に、布の端を折っておきます。
【布端の折り方】
1cmぐらい布端を折ります。アイロンをかけてもいいのですが、針を使えば簡単にできます。
針の先を布の折り目に沿わせて印を付けるように引くと、自然に折り目が付く。
(1)刺繍糸を3本どりにして端を玉結びにする。刺すときは、端からではなく中ほどから刺し始める。刺したい場所から左に5cmぐらい離れたところの端に針を入れて、刺したい場所で出す。こうしておくと、渡した糸の上を刺すので、仕上げに玉結びを切れば、糸始末ができる。1周しない場合は端から刺す。
(2)5mmぐらい下に針を入れて裏側に出す。出すときは常に糸が下になるようにする。
(3)同様にして同間隔で針を刺していく。
角の刺し方
(4)角にきたら、同じ場所に針を入れて角の頂点から出すと三角に刺せる。
(5)さらに同じ場所に刺し、裏側に出す。これで角がきれいに刺せた。
1周したらつなげる
(6)1周刺せたら、最後は刺し始めの上に針を入れて、つなげる。1周しない場合は、下の糸を固定するように針を入れる。
(7)布端の内側に針を入れて5cmぐらい先で出し、糸を切る。玉結びも切る。
ポロシャツのえりに
コースターにしてプレゼント
変わりステッチを平面に刺す
縁飾りをもっとすてきに!
ボタンホールステッチだけで、すてきな縁飾りができます。
布と同じ色の刺繍糸を使うと、アラが目立たず、きれいに仕上がったように見えます。
ぜひ試してみてください。
ハンカチがグレードアップ
ベビー服のえりに
(1)糸は3本どり。ボタンホールステッチを細かく刺し、糸が輪になるように8mmぐらい元に戻って布端に糸を通し、もう一度刺し終わりに戻る。
(2)布端に糸を通してさらに元に戻り、三重の輪を作る。この輪にボタンホールステッチをする。
(3)さらに布端にボタンホールステッチを8mmぐらい刺し、三重の輪を作る。
(4)輪にボタンホールステッチをして、これを繰り返す。
(5)さらに飾りを多くするには、2つ目の輪のステッチ途中で、前の輪の中心に糸を戻し、三重の輪を作る。
(6)この輪にボタンホールステッチをし、2つ目の輪の残りにステッチをする。
撮影/原 務 トレース/ウエイド手芸部