累計発行部数8000万部を突破した大ヒットマンガ『鬼滅の刃』。主人公・竈門炭治郎が強さと優しさで困難を乗り越えていく姿に多くの読者が感動し、その人気は社会現象にもなりました。今回は、鬼滅の刃のキャラクターたちの名言をまとめた『「鬼滅の刃」の折れない心をつくる言葉』(藤寺郁光/あさ出版)から、炭治郎が発した「心の強さを手に入れられる言葉」を厳選してお届けします。
「悔しいなぁ 何か一つできるようになっても またすぐ目の前に 分厚い壁があるんだ すごい人はもっとずっと先のところで戦っているのに 俺はまだそこに行けない」
(竈門炭治郎/第66話「黎明に散る」)
鬼の上弦の参・猗窩座(さん・あかざ)との戦いで、自らの命と引き換えに竈門炭治郎や後輩たちを守り、息絶えた煉獄杏寿郎。
最期は「柱ならば後輩の盾となるのは当然だ(中略)若い芽は摘ませない」という後輩想いの言葉と、「今度は君たちが鬼殺隊を支える柱となるのだ 俺は信じる 君たちを信じる」という後輩を鼓舞する言葉をのこして、この世を去りました。
はたすべきことを全うして息絶えた煉獄の亡骸を目の前に、自分の力不足を突きつけられ、煉獄のように誰かを守ることができるのだろうかと不安を募らせる炭治郎の言葉です。
◎竈門炭治郎(かまどたんじろう):『鬼滅の刃』主人公。妹を人間に戻すために、鬼殺隊の隊士として鬼と戦う。
◎煉獄杏寿郎(れんごくきょうじゅろう):「炎の呼吸」の使い手、炎柱。代々、炎柱を輩出している煉獄家の出身。
弱い自分が許せない君への言葉
あなたには誰かに憧れていたり、尊敬していたりする人はいますか。
どのようなきっかけで、その人に憧れや尊敬の念を抱くようになりましたか。
マンガのなかの登場人物や、本や雑誌、テレビなどで見た人。
あるいは、先輩や友人・知人、そのような人に出会い、その人の何かに惹きつけられて、「自分も同じようになりたい......」と思ったことはあると思います。
小さい体で大きな敵を倒すことができる、人間離れした神技を次々と披露する、ほかの人を寄せつけない圧倒的な能力を持っている、偶然出会った人も一瞬で虜にするような魅力がある。
そんな人に少しでも近づきたいと思い、努力を始めます。
はじめはおぼつかない足取りで、一歩一歩、おそるおそるその世界へと足を踏み入れていく。
そしてやっと、少しは上達してきたかな......と思うところにたどり着く。
しかし、すぐにいともあっさりと、誰かが自分を抜き去ってゆく。
打ち込めば打ち込むほど、上達すればするほど、そういうことの繰り返しが待っています。
でも、あなたが尊敬するその人も、同じ道を歩んできたはずです。
はじめから頂点にいたわけではありません。
何度も何度も敗れて、そのたびに悔し涙を流し、目の前に立ちはだかる分厚い壁を1つひとつ乗り越えて、いまの場所へと上りつめたのです。
もし、いまのあなたの実力で、憧れの人と同じ場所に立つことができたら、あなたはその人とまともに戦うことができるでしょうか。
その人が戦っている場所で、活躍することができるでしょうか。
「分相応」という言葉がありますが、自分の才能・性質・身分がふさわしくなければ、期待されるような結果をのこすことはできません。
あなたの理想とする将来像と現在のあなたにはまだまだ差があり、挫折しそうになるかもしれません。
でも、あきらめたらそこで終わりです。
悔しいという気持ちが強いのは、それだけあなたが本気だからです。
その気持ちを前に進むエネルギーに変えましょう。
「悔しいなぁ」という想いを胸に抱きながら、少しずつ前進するのです。
前へ進み続けることが、憧れの人へ近づく最短距離なのです。
【『鬼滅の刃』あらすじ】
舞台は大正時代の人喰い鬼の棲む世界。炭売りの竈門炭治郎(かまどたんじろう)は家族を鬼の鬼舞辻無惨(きぶつじむざん)に惨殺され、唯一生きのこった妹・竈門禰豆子(かまどねずこ)も鬼と化させられてしまう。そこに、鬼殺隊の剣士・冨岡義勇(とみおかぎゆう)が現れ、禰豆子を殺そうとするが、炭治郎は「妹を殺さないでください」と懇願することしかできない。そんな炭治郎に戦う決意をさせたのは、義勇の「生殺与奪(せいさつよだつ)の権を他人に握らせるな!! 惨めったらしくうずくまるのはやめろ!!」という言葉だった。 炭治郎は妹を人間に戻す方法を見つけるため、鬼殺隊として鬼と戦いながら、禰豆子とともに最大の敵である鬼舞辻無惨を倒す道を進む――。
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