累計発行部数8000万部を突破した大ヒットマンガ『鬼滅の刃』。主人公・竈門炭治郎が強さと優しさで困難を乗り越えていく姿に多くの読者が感動し、その人気は社会現象にもなりました。今回は、鬼滅の刃のキャラクターたちの名言をまとめた『「鬼滅の刃」の折れない心をつくる言葉』(藤寺郁光/あさ出版)から、炭治郎が発した「心の強さを手に入れられる言葉」を厳選してお届けします。
「頑張れ!!人は心が原動力だから心はどこまでも強くなれる!!」
(竈門炭治郎/ 第53話「君は」)
胡蝶しのぶの屋敷での機能回復訓練が終了し、旅立つときに、しのぶの継子(直々に育てられた隊士)であるカナヲと話をする竈門炭治郎。
決められたこと以外はコインを投げて決めている意思を持たないカナヲに、炭治郎は大きな違和感を抱きます。
カナヲをなんとか変えようと、炭治郎はコインを空高く投げて言いました。
「表が出たらカナヲは心のままに生きる」。
そして、カナヲが不安げにコインを見つめるなか、落ちてきたコインは表。
これはそのときに炭治郎がカナヲの手をとって贈った言葉です。
◎竈門炭治郎(かまどたんじろう):『鬼滅の刃』主人公。妹を人間に戻すために、鬼殺隊の隊士として鬼と戦う。
◎胡蝶(こちょう)しのぶ:「蟲(むし)の呼吸」の使い手、蟲柱。「鬼を殺せる毒」をつくりだした。
目標や生きがいがない君への言葉
あなたは日々、どんなことを目標に、もしくは生きがいにして生きていますか。
「生きている」というと大げさに感じられるなら、「生活している」と考えてみてください。
目標や生きがいが何かと聞かれたら「特にこれといったものはない」と答える人がいるかもしれません。
何か明確な目標を持って生きている人はすぐに答えが出てきますが、そのような人は意外と少ないのではないかと思います。
おそらくそれは、目標や生きがいに対して「毎日毎日、熱中して取り組んでいるようなもの」と考えてしまうからでしょう。
ですが、自分では目標や生きがいと思っていなくても、周りから見ると立派な目標、生きがいになっていることがあります。
たとえば、応援している特定の人物やチームがいることは、周りから見れば立派な生きがいです。
また、本を買って読む習慣があるのも、ふだん本を読まない人からすれば生きがいに見えます。
同じ行動を繰り返しているのであれば、本人は意識的していなくても、周りから見ればそれは、生きがいや目標だととらえられるでしょう。
では、「いつもやっていることをやめて、ほかのことをしてください」と言われたら、どうでしょうか。
スッとやめることができるでしょうか。
すぐに何かほかのことが見つかるでしょうか。
意外と見つからないことが多いのではないでしょうか。
直接的であれ間接的であれ、人は1つひとつの行動に対して、きちんと思考を働かせています。
当たり前になっていると、惰性の力で動いているように感じるかもしれませんが、その根元には必ず原動力があり、心が動いているはずです。
そして、心と体は1つにつながり、相互に作用し合っているのです。
だから、心の動きがわからなくなったら、自分の行動に注目してみてください。
反対に、行動をおこしたいと思ったら、心を動かしてみてください。
体が動かなくなったら心が体を動かしてくれますし、心が動かなくなったら体を動かせば心に力が生まれます。
「全部どうでもいいから」と言っていたカナヲは、意思のある炭治郎の言葉と行動をきっかけに、自分のなかにあるかすかな心の動きに気づきます。
そして、のちに、自分の目を失うリスクを抱えながらも、鬼になってしまった炭治郎を救うために立ち向かえるくらいまでに成長したのでした。
あなたもカナヲのように、自分のなかにある心の動きを育て、心が動いたときに一歩踏み出せる自分になってください。
【『鬼滅の刃』あらすじ】
舞台は大正時代の人喰い鬼の棲む世界。炭売りの竈門炭治郎(かまどたんじろう)は家族を鬼の鬼舞辻無惨(きぶつじむざん)に惨殺され、唯一生きのこった妹・竈門禰豆子(かまどねずこ)も鬼と化させられてしまう。そこに、鬼殺隊の剣士・冨岡義勇(とみおかぎゆう)が現れ、禰豆子を殺そうとするが、炭治郎は「妹を殺さないでください」と懇願することしかできない。そんな炭治郎に戦う決意をさせたのは、義勇の「生殺与奪(せいさつよだつ)の権を他人に握らせるな!! 惨めったらしくうずくまるのはやめろ!!」という言葉だった。 炭治郎は妹を人間に戻す方法を見つけるため、鬼殺隊として鬼と戦いながら、禰豆子とともに最大の敵である鬼舞辻無惨を倒す道を進む――。
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