必死で探しても、結局なかなか見つからないのが「自分好みの似合う服」。それなら、いっそ「自分だけの服」を作ってみませんか?年間100着以上を手作りする津田蘭子さんの著書『家庭科3だった私がワードローブ100%手作り服になりました。』(ワニブックス)から、簡単で楽しくできる「初めての洋服作り」をご紹介します。
布を買いに行こう!
さて、服作りを始めるには、布を調達しなければなりません。
街の小さな手芸店から、大型手芸専門店、服飾専門学校の売店、ネット販売や雑貨屋さんまで、お店ごと、シーズンごとに取り扱っている生地はさまざま。
私の場合、生地を見るとついつい手が伸びてしまいます。
こんな柄、見たことない!この色が欲しかった!などなど、どの生地で何を作ろうか夢が膨らみます。
でもまだ服作りに慣れていなかった頃は、生地選びに失敗することもしばしば。
そこで、私の失敗を踏まえてアドバイスすると、初めての服作りに最適な生地の条件は次の2点です。
1.無地のベーシックな色から始める
初めて大型の生地屋さんに行った時、ありとあらゆる色や柄がずらりと並んでいて、私の瞳孔は開きっぱなし!
鼻息も荒く、気に入った生地をかたっぱしから買っていき、はたと気づくと柄物だらけ!
だけど、きれいな色柄ばかりで服を作ると、とってもコーディネートしにくい!
結局着なくなることに。
それに、柄によってはキチンと柄合わせして作らないと出来上がりがブサイクになることも。
2.お値段はなるべく安いものを選ぶ
失敗したときの痛手はなるべく軽く済ませたいですから。
また、高い生地で作れば良いものができるとも限りません。
東京の日暮里繊維街にある生地の卸屋さんに行くと、なんとメーター100円という生地がたくさん並んでいます。
ちょっと色むらがあるとか、織り傷がある生地らしいのですが、見た目ではほとんどわからないものも多く、傷があったところでその部分を避けて使えば問題ないわけなので、かなりお得!
メーター100円の生地というのはかなり究極的ですが、いきなり高級生地に手を出さず、まずはお手頃な生地の中から選ぶのが安全です。
布を買いに行く時、気をつけたいこと
洋裁本には、サイズごとに必要な生地の量が書いてあることがほとんどです。
だけど「メモしてくるの忘れた!」とか、「まだ具体的に何を作るか決めていない!」ということもありますよね。
私も、何か作りた~い!という気持ちだけが先行して生地屋さんへ駆け込むことも少なくありません。
生地を見てインスピレーションが湧き上がる場合もありますしね。
そういう時には、2mというのをひとつの基準にしています。
身長166cmの私の場合、トップスもボトムスも、一着だいたい2mあれば作れます。
もし、パーツが多くて生地がちょっと足りなかった!という場合は手持ちの他の生地を使う。
例えば、ウエストベルトの部分だけ違う色になっても、それが思いがけずいい感じになっちゃった!という嬉しい誤算もあるのです。
気をつけたいのは、生地の幅にはいくつか種類があるということ。
一般的に、生地の幅には、シングル幅、普通幅、ダブル幅の3種類があります。
だいたい、シングルは90cm、普通は110cm、ダブルは140cmくらい。
シングル幅の場合は生地の量が少ないので2mだとちょっと心許ない。
逆にダブル幅だと生地がたくさん余ってしまうことも。
その辺は慣れになってきますが、大は小を兼ねる!
ちょっと多めに買っておいて、余ったら巾着やバッグでも作ればいいのです。
気をつけたいことがもうひとつ!
生地の厚みや素材のことです。
服作りの失敗でやらかすことのひとつに、出来上がってみたら思っていたより生地が薄かったとか厚かったとか、手触りや着心地が思っていたのと違ったとか。
生地屋さんで素材だけ眺めていても、仕上がりのイメージと結びつかないことはよくあります。
そんな時は、作りたいイメージの生地に近い手持ちの服を着ていくこと。
その服がどんな素材でできているかを確認してみるのも大事です。
綿なのか麻なのかポリエステルなのか。
そして、着ていった服と触り比べたり、生地の厚みや透け感を見比べると、出来上がりのイメージがより鮮明になると思いますよ。
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