「何かやってみたい」「時間に余裕がでてきた」...。
そんな風に思ったら、何かをはじめるチャンスです。
学ぶことに、「いまさら」や「年だから」はありません。
2人の学び直しの達人に、"大人のための学び直し術"を伺いました。
今回は、72歳の料理研究家・谷島せい子さんの肩肘張らない学び術をご紹介します。
学ぶ=1人の時間を楽しむ
〝やりたい〟が元気の源!
12月で72歳を迎えたばかりの谷島せい子さんは、1人の時間を楽しむ達人です。
ちょっと時間があるときには、彫刻をしたり、拾ってきた葉っぱに絵を描いたり、ビーズでアクセサリーを作るのもお手のもの。
最近はまっていることを聞いてみると、「英語や中国語の学び直しかしら」と返ってきました。
どんな風に行っているのでしょう?
「学び直しといっても、先生に習ったり、スクールに通ったりといったものではないんです。何年も前に、シンガポールで現地の大学を見学させていただいたことがあって、そこにはいろいろな語学のスクールがあるんです。もしも宝くじが当たったら、3カ月ぐらいそこに留学して語学を学んでみたい。だから、好きな小説を原文で読んだり、海外ドラマを見たりして、授業についていけるぐらいの英語を身につけておきたいと思っています。また、〝蒼穹(そうきゅう)の昴(すばる)〟という中国ドラマを見たときに、画面から流れてきた中国語があまりにきれいだったことに感激して、中国語も勉強しています。実は以前、近所で中国語のカルチャースクールが開かれていて、少し習ったことがあったのですが、その頃はいまひとつ分からないまま終わってしまったんです。だから、もう一度やってみようかなと。語学は習うというより慣れろ。無理せず、楽しくできる範囲で行っています」
若い頃、客室乗務員として海外の航空会社に勤めていた谷島さんだけに、語学を身につけるときに心がけるとよいことを聞いてみました。
「海外旅行をしたり、外国の人としゃべってみたりするのがおすすめ。私たち世代は、ついつい完璧主義になってしまいがちですが、一生懸命話そうとすれば周りが助けてくれます。語学は勉学というよりは、心のもちよう。しゃべってみたら何とかなるぐらいの軽い気持ちでいいんです」
いつもおしゃれに気を配っている谷島さんは、身につけるもののリメイクもよく行います。
「洋服はもう何十年も、いたってシンプルなものばかり着ています。そのかわり、ベルトやスカーフなど小物でさし色を取り入れるのが好き。自分でリメイクしたものも多いです。セーターを切ってレッグウォーマーにしたり、スカートやスーツケースベルトをアレンジして腰に巻いたり。でも、簡単にできることしかしません。思いついたらすぐにぬって完成。難しいことはやりません(笑)」
語学も手仕事も常に自分流だという谷島さん。
その理由を聞いてみると、「学びたいと思うのは、誰のためでもなく自分の好奇心のため。だから、思いついたらすぐに実行。ワクワクすることがあれば、心と体が元気になるものですよ」。
「語学も手仕事も自分流。 好奇心のためにやってます』」と、谷島さん。
●谷島さんの学び術
語学は楽しみながら! 英語や中国語の小説で
語学を学ぶには、"習うより慣れろ"が谷島さん流。
触れていないと忘れるので、継続も大切と言います。
「英語のペーパーブック(主に洋書の小説)は、日本の単行本に比べてずっと軽いので持ち歩きもラクチン。ちょっと空いた時間に読み進めています」と、谷島さん。
おしゃれ大好き! 小物リメイクも自己流
シンプルなスタイルを好む谷島さんですが、自分でリメイクした小物でアクセントをつけるのが得意。
写真はスーツケースベルトをリメイクして、ベルトケースにしたもの。
ケースには、小物を入れることができ使い勝手の良さも抜群。
取材・文/笑(寳田真由美) 撮影/西山輝彦