年末年始のお出かけにぴったり。兵児帯で作る「ショルダーブラウス&スカート」

舞台衣装作家の岡本孝子さんに「きもののリフォーム」について教えていただく、定期誌「毎日が発見」の人気企画。今回ご紹介するのは、年末年始のお出かけにぴったりな2種類のショルダーブラウスとスカート。縮緬の兵児帯一本から作ります。

人が集う機会の増える年末年始に、おしゃれをして出かけたい...。兵児帯を使った服はそんな思いから生まれました。

兵児帯は、もともと男性や子どもが普段着のきものや浴衣に合わせる帯として明治時代に広まったもの。薩摩(鹿児島)地方で15~25歳の男性を兵児と呼んでいたことが名前の由来です。

広げると大きな長方形になり、1本あれば、ブラウスとスカートを両方作ることができます。今回使ったのはとろみのある絹の縮緬素材。手触りが滑らかで高級感もありますから、大事な場面できっと自信をもって着られるでしょう。

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コーディネート①年末年始のお出かけにぴったりです

上下セットアップするとシックな雰囲気。スカートの裾模様は帯の両端にあるものをそのまま生かしています。布を小さくつまみ、くくって染めた繊細な絞り模様です。着用しているのは作者・岡本孝子さん・82歳。

後ろ姿もすっきり

年末年始のお出かけにぴったり。兵児帯で作る「ショルダーブラウス&スカート」 1912p117_04.jpg体になじむ柔らかい絹素材。落ち感があり、一枚のドレスのようにも見えますね。

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コーディネート②ショルダーブラウスをワンピースと合わせて...

ブラウスは、前後身頃に肩ひもを付けただけ。身幅にゆとりがあるのでボリュームのある服の上にもさらりと着られます。後ろ身頃の着丈を、前身頃より少し長めにしたおしゃれなデザイン。着るとが柔らかい縮緬地の裾が揺れていい雰囲気です。

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コーディネート③スカートにセーターを合わせてもすてき

スカートは、ウエストにギャザーを寄せたシンプルな形。ラフなセーターやTシャツなどどんなトップスにも合わせられます。ウエストはゴム入りではき心地はらくちん。左脇にスリットが入っているので歩きやすいのも特徴です。

兵児帯とは...

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兵児帯は男性や子ども用の帯の一種。縮緬や木綿など柔らかい生地のものが多く、帯として使うときには、体に巻いて後ろで結びます。リフォームする前のものを広げるととてもシンプルな長方形の布になります。男性用は大幅のものは70㎝前後あるので、1枚の布として使うことができます。

サイズは、男性用の場合は幅約50(中幅)~74(大幅)㎝ほど。長さに決まりはありませんが約350~400㎝のものが多く、ショルダーブラウス&スカートも幅72×380(長さ)㎝のものを使って作っています。

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岡本孝子(おかもと・たかこ)さん

1937年、東京生まれ。文化服装学院デザイン科卒業。1987年より劇団SCOT主宰の鈴木忠さんとともに舞台衣装制作に携わる。現在もオペラなど多くの舞台衣装を作り続けている。プライベートではきものをリフォームしてはおしゃれを楽しんでいる。

ショルダーブラウス&スカートの作り方は『毎日が発見』12月号P119~121で詳しく解説しています

この記事は『毎日が発見』2019年12月号に掲載の情報です。
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