現在、推定138億歳。加速的に歳をとっていく宇宙の不思議/身近な科学

さまざまな生物のすぐれた能力。私たちの暮らす地球の驚くべき事実。メディアをにぎわせる「最新科学」のニュース。驚くべき速さで進歩するITの話題。世の中には、学校では教わらなかった現代科学の話題があふれています。

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※この記事は『[図解]身近な科学 信じられない本当の話』(涌井貞美/KADOKAWA)からの抜粋です。

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ビッグバンから始まった宇宙の膨張。
宇宙の推定年齢は何歳?

晴れ上がった夜空にまたたく星々は私たちを魅了します。その中で、何万光年も離れた遠くに輝く星は恒星(こうせい)の集団である銀河です。

20世紀初め、米国の天文学者ハッブルは地球と銀河の距離を測定し、整理しました。すると不思議な法則が見えたのです。「地球から遠い銀河ほど、地球から速いスピードで遠ざかっている」というハッブルの法則です。実に不思議な法則です。現在、推定138億歳。加速的に歳をとっていく宇宙の不思議/身近な科学 p142.jpg

 

このイメージを説明するのによく利用されるのが風船です。風船を膨(ふく)らませると、風船上の遠い点ほど速く離れていきます。

ところで、互いに遠ざかっているのなら、時間を逆に戻せば1点に集まります。そう考えると、その1点から宇宙は膨張し始めたことになります。これが、科学者ガモフの提唱(ていしょう)したビッグバンと呼ばれる宇宙論です。宇宙の年齢とは、この1点から数えた時間のこと。現在の推定年齢は138億年です。

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さて、風船の膨らむスピードは、次第に遅くなると考えるのが常識的でしょう。ところが観測によると、膨張速度は増しているのです。何か特別なエネルギーが宇宙を加速度的に膨張させていると考えられます。その「何か」として現在、ダークエネルギーというものが注目を集めています。

次の記事「正体不明!目にも見えない!宇宙を構成する「ダークマター」って?/身近な科学(32)」はこちら。

 

 

涌井貞美(わくい さだみ)

1952年、東京都生まれ。東京大学理学系研究科修士課程修了後、富士通に就職。その後、神奈川県立高等学校教員を経て、サイエンスライターとして独立。現在は書籍や雑誌の執筆を中心に活動している。著書は、『図解 身近な科学 信じられない本当の話』『雑学科学読本 身のまわりのすごい技術大百科』(以上KADOKAWA)、『Excelでわかるディープラーニング超入門』『ディープラーニングがわかる数学入門』(以上、技術評論社)、『「物理・化学」の法則・原理・公式がまとめてわかる事典』(ベレ出版)、『図解・ベイズ統計「超」入門』(SBクリエイティブ)など多数。

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『[図解]身近な科学 信じられない本当の話』

(涌井貞美/KADOKAWA)

動植物、天体から物理、統計学まで。知っておくべき科学の基本や、現代科学を読み解くのに必要な知識について、身近な例を挙げながらやさしく解説! わかりやすい図解(イラスト・写真)つきなので、学生から年配層まで、科学全般の知識が浅い読者でもとっつきやすく、「科学の教養」が身につけられる100項目を提供する内容です。

 

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この記事は書籍『[図解]身近な科学 信じられない本当の話』からの抜粋です。

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