時を超えて受け継がれてきた、愛すべき日本の文化。さおり&トニー夫妻が古都京都で、その真髄を堪能してきました!
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『めづめづ和文化研究所 京都 新装版』から全7回までお届けします。今回は第6回目です。
友禅
友禅は江戸時代の元禄期に人気を博した色とりどりの染め物で、その創始者は京都の人気絵師、宮崎友禅斎(みやざきゆうぜんさい)だとされています。友禅斎はそれまであった染めの技法を応用し、自由な表現や豊かな色彩で、華麗な絵柄を着物に取り入れました。その染め物は「友禅染」と呼ばれるようになりました。
友禅染の特徴は、まず手描きであること。そして、ぼかしなどの手法も使い、絵画のような表現ができることです。この技術は日本の染色史上、めざましい進歩でした。友禅染は全国的に広まりましたが手作業で作られていたためにとても高価で、買える人は限られていました。
明治時代になると、化学染料により染色技術はさらに発達します。型紙を使って、同じ模様を大量に染めることができる「型友禅」が開発されます。それにより、友禅染の着物は一般にも広がりました。
◆京友禅まとめ◆
○「友禅」は友禅染の略称で、絵師の宮崎友禅斎の名からつけられ、「手描き友禅」と「型友禅」に分類される。
○「友禅」とは「糊のり置おき防染法」という染めの手法の一つで、絵画のような図案を染められる。
○京友禅は、伝統的にそれぞれの工程を専門の職人たちにより分業して仕上げるのが特徴で、伝統模様は写生のような画風で繊細、華麗な装飾画。
初心者Q&A
Q. 京友禅ならではの特徴は、なんですか?
A. 大きな特徴は「分業制」です。図案の製作から仕上げに至るまで20近くもの工程があり、それぞれが専門技術をもった職人によって手がけられます。仕上げに金箔や刺繍などの優美な意匠が施せるのも、専門的に高められた技術があってこそ。文様としては、牛車をモチーフにした「御所車」や、宮中で用いられた扇をかたどった「檜扇」など、遠目にも映える図柄が好んで描かれます。