聴力ケア

65歳から増加する「加齢性難聴」。名医・坂田先生が解説する、聴力を保つための「生活習慣」

会話が聞き取りにくかったり、かみ合わなかったり...ひょっとしたらその症状は、65歳から増加するといわれる加齢性難聴かもしれません。今回は、川越耳科学クリニック院長の坂田英明(さかた・ひであき)先生に、「加齢性難聴の特徴」について教えてもらいました。

この記事は『毎日が発見』2022年6月号に掲載の情報を再構成したものです。

聴力を保つための生活習慣

1.紫外線を避ける

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過度な紫外線を浴びると、その害から体を守ろうとして体内で活性酸素が作られます。活性酸素は体をさびつかせる老化のもとで、加齢性難聴の誘因となる遺伝子を活性化させます。日傘や日焼け止めクリームを忘れずに。

2.騒音にさらされない

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大きな音や音圧(音による圧力)は、内耳を傷つけ、音の振動を脳に送る有毛細胞にダメージを与えます。常に大きな音がするパチンコ店のほか、ヘッドホンやイヤホンで長時間大音量の音楽などを聴くことは避けて。

3.血圧や血糖値を上げない

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内耳の血管は非常に細く繊細。血行不良や血管障害で栄養や酸素が届きにくくなると、すぐに影響を受け、正常に機能しなくなります。動脈硬化や高血圧のほか、女性の場合は低血圧や代謝不良の人も多いので十分注意を。

4.適度な運動をする

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血流障害は難聴の大敵です。血流を良くし、血液を体中に行き渡らせるためには、日々体
を動かし、ウォーキングなど適度な運動をすることが必要です。日々の習慣として取り入れてみましょう。

5.余分な薬を見直す

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服用している薬が多い人は、主治医と相談してなるべく整理しましょう。体質によっては抗結核薬、鎮痛剤、利尿薬などの薬の副作用から難聴を引き起こすこともあります。耳鼻科で定期的に検査を受けることも大切。

<教えてくれた人>

川越耳科学クリニック院長
坂田英明(さかた・ひであき)先生

埼玉医科大学卒業。帝京大学医学部附属病院耳鼻咽喉科助手、ドイツ・マグデブルク大学耳鼻咽喉科などを経て2015年より現職。著書に『あぶない! 聞こえの悪さがボケの始まり「 耳」を知る、治す、鍛える』など。

この記事は『毎日が発見』2022年6月号に掲載の情報です。
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