――そういったお客様の声から改良されたことはありますか?
(小谷さん)初代機器が誕生したのが26年前なので、それはいろいろとあります。当時はまだアナログだったのが改良を重ねてデジタルになっています。また、かつては聞こえやすいモードをテレビ、電話、会話と何通りか用意したこともあるんですが、逆に使いこなしづらいということで、今のこのシンプル操作に行きつきました。
(百足さん)「これにスマホを連携するといろいろなことができます」というような商品もありますが、今回のこの商品は、シンプル操作の商品にしました。
(小谷さん)Bluetoothとかペアリングといった行為で、お客様がつまづかないことが大事だと判断しました。
(百足さん)補聴器は小さすぎて落としたりなくしたりするけれども、「femimi」のポケット型デジタル集音器VR-M700はヒモ(コード)がついているから絶対なくさない! その点がいい、という意見も参考になりました。
聞こえ方や好みによって選べる2タイプの「femimi」
――「femimi」にも、ポケット型デジタル集音器と耳あな型デジタル集音器がありますが、なくさないのはポケット型のほうということですね。
(小谷さん) そうです。商品開発もポケット型が最初です。まだご紹介できていなかった耳あな型は、集音器をつけていることを目立たせたくないというお客様のご要望から生まれました。コンパクトで耳穴にすっぽり入り、ベージュというカラーリングなので目立ちません。片耳、両耳、どちらでもお使いいただけます。
――現状のお客様は70代から90代の方ということですが、ご本人が購入されるんでしょうか。
(百足さん)そうですね。実際にお使いになる方は60代以上で、メインは70代、80代の方々です。でも、親御さんのために、と40代の方が購入されることもありますよ。
――今後はそのパターンが増えていくと思います。補聴器はまだ早いと言う親世代に、まずは集音器で「聞こえ」のサポートがあると便利だと知ってもらうことが大切ですよね。
(百足さん)そうあってほしいと願っています。ご購入前にお試しいただけるレンタルもやっていますので、もし周囲に聞こえにくいと悩んでいる方がいらっしゃったら、ぜひご紹介ください。
実際にユーザー世代の方々の多くの声を聞き、「聞こえ」に関する悩みに真摯に向き合いながら改良を重ねてきた「femimi」。「音のスペシャリスト」ならではのこだわりがありました。
取材・文=岸田直子 撮影=後藤利江
『femimi(フェミミ)ポケット型デジタル集音器』(VR-M700)
最大約125倍まで音を増幅させることが可能な高性能集音器。約19gと軽い本体とイヤホンがセットに。イヤホンマイクを耳につけ、本体の電源を入れて音量を調節するだけ、という簡単操作で使える。バッグの中でも見つけやすく、男女問わず使いやすい、やわらかいゴールドの色みも好評。
『femimi(フェミミ)耳あな型デジタル集音器』(VR-L50)
自然なカラーリングで、目立ちにくく耳になじむ小型タイプの集音器。小さな音も最大約80倍まで増幅し、デジタル技術でハウリングや雑音を低減。マスクやメガネと一緒に使っても快適。