髪は抜けるのに、ヒゲは年とともに濃くなるのはどうして?/抜け毛予防

pixta_37221790_S.jpg抜け毛は自分とは関係ないと思い、特に気にせず生活していませんか? そんな方は要注意! 髪は抜け始める前からケアすることが重要なのです。特別なことは必要ありません。衣食住を中心とした生活習慣を根本から見直すだけで、数年後の未来の自分の髪に先行投資することができます。最新の科学的根拠をもとに知識を深め、薄毛にならないための生活を今から始めてみませんか。

抜け毛にまつわるさまざまな原因や治療法、ケアなどを薄毛治療の第一人者である岡嶋研二先生に伺います。

前の記事「ヒゲは剃ると濃く見える。ならば、髪も剃り続けると濃く見える?/抜け毛予防(15)」はこちら。

 

男性ホルモンの作用の仕方が髪の毛とヒゲでは違うのです!

年齢を重ねるとともに、男女問わず男性ホルモンが増加することは知られていますが、この男性ホルモンは体の部位によって作用の仕方が変わります。髪の毛とヒゲ、同じ「毛」だからといって、同様の働き方をするわけではないのですね。

どちらの場合も、男性ホルモンであるテストステロンが、毛根に存在する「5αリダクターゼ」という酵素によってより強力な「DHT(ジヒドロテストステロン)」に変わることまでは同じメカニズムです。
そこから、DHT(ジヒドロテストステロン)が、知覚神経の男性ホルモンの受容体に結合すると、ヒゲの毛根では「IGF-1」が作られ、毛母細胞の細胞分裂が促されてヒゲが濃なります。しかし、頭髪の場合は逆に、DHTがIGF-1を減らすので、育毛が阻害されます。

 
頭頂部だけが薄くなってしまうのは男性ホルモンの作用の違いから

アニメ「サザエさん」に登場する波平さんのヘアスタイルを思い出してください。頭の左右には髪の毛がしっかり生えているのに、頭頂部だけが薄くなっていますよね。これは、先ほどお話しした男性ホルモンの受容体が頭頂部に多いことで引き起こされますが、なぜ頭頂部にだけ男性ホルモンが多いのかというメカニズムははっきりと分かっていません。

しかし、男性ホルモンの影響で毛が薄くなってしまうのは、全身どこを探しても頭頂部だけなのです。不思議ですよね。

 

次の記事「「若い頃から髪を染めると薄毛になりやすい」の真実は?/抜け毛予防(17)」は近日公開。

取材・文/荒井さやか

<教えてくれた人>
岡嶋研二(おかじま・けんじ)先生

1978年、熊本大学医学部卒業。1982年、熊本大学大学院医学研究科修了(医学博士取得)。日本学術振興会特定国派遣研究員としてウィーン大学医学部への留学、熊本大学医学部助教授、そして名古屋市立大学大学院医学研究科教授を経て、2012年4月、名古屋Kクリニックを開院。血液学を中心に研究を進め、育毛作用を有するインスリン様成長因子-1(IGF-1)を増やす新たな方法を見いだし、育毛効果を発揮する治療法の開発へと応用している。

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