抜け毛は自分とは関係ないと思い、特に気にせず生活していませんか? そんな方は要注意! 髪は抜け始める前からケアすることが重要なのです。特別なことは必要ありません。衣食住を中心とした生活習慣を根本から見直すだけで、数年後の未来の自分の髪に先行投資することができます。最新の科学的根拠をもとに知識を深め、薄毛にならないための生活を今から始めてみませんか。
抜け毛にまつわるさまざまな原因や治療法、ケアなどを薄毛治療の第一人者である岡嶋研二先生に伺います。
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ヒゲを剃ると濃くなって見えるというのは、断面が大きくなるからです
ヒゲなどのムダ毛を剃ると、次第に太く濃くなっていくことは、男性のみなさん実感されていると思いますが、これは毛1本1本が太くなるわけではありません。剃った後は毛が一切なくなったように見えるため、そこからまた新しい毛が生えてくるイメージをもちますが、実際は成長途中のしっかりとした状態で生えてくるのです。成長途中から生えるため、断面が大きくなり太く見えるだけなのです。つまり、ヒゲが太くなるわけではありません。
毛髪を剃ると頭皮に刺激になって育毛につながる可能性はあります!
「ブラシで頭を叩くと髪が生える! 刺激は強いほどいいの?/抜け毛予防(13)」でお話ししましたが、頭皮に刺激を与えることで育毛効果は期待できます。では、毛髪を剃るという刺激で、育毛効果は得られるのでしょうか?
「確かに髪を剃ることで頭皮への刺激にはなります。つまり、剃るという行為で育毛を促進する可能性はあります。ただし、頭皮を傷つけてしまうこともあるので、傷つけない刺激、例えば、唐辛子に入っているカプサイシンによる頭皮の刺激や、また、それを摂取して胃を刺激するほうが、安全でしょう」(岡嶋先生)
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取材・文/荒井さやか
岡嶋研二(おかじま・けんじ)先生
1978年、熊本大学医学部卒業。1982年、熊本大学大学院医学研究科修了(医学博士取得)。日本学術振興会特定国派遣研究員としてウィーン大学医学部への留学、熊本大学医学部助教授、そして名古屋市立大学大学院医学研究科教授を経て、2012年4月、名古屋Kクリニックを開院。血液学を中心に研究を進め、育毛作用を有するインスリン様成長因子-1(IGF-1)を増やす新たな方法を見いだし、育毛効果を発揮する治療法の開発へと応用している。