梅雨で湿度の高い時季には、お酢やかんきつ類で風味付けした酸っぱい料理がおいしく感じられますね。でも、食後に酸っぱい液体が口の方へ戻ってくると不快でしょう。このような症状が続くときには、逆流性食道炎の可能性があります。胃酸が食道に逆流することで、胸やけやげっぷなどさまざまな症状につながるのです。逆流性食道炎について、東京医科大学病院消化器外科・小児外科派遣准教授の立花慎吾先生に伺いました。
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逆流性食道炎にならない&治療時に推奨される生活習慣
●食事で気をつけたい三つの習慣
1)脂っこいもの、刺激物を避ける
脂肪分の多い食事や刺激物は、十二指腸からのホルモン分泌で胃の入り口を緩め、胃酸を増やす原因になります。控えましょう。
2)お酒は控えめに
アルコールは胃の入り口を緩め、食道の炎症も悪化させるので症状のある人は禁酒を。
3)食べ過ぎに注意する
食べ過ぎることも、それに伴う肥満も、逆流性食道炎につながるので注意しましょう。
●普段の生活で気を付けたいのは
べルトや下着などで締めつけない
おなかを締めつけると腹圧が上がります。ワンピースなどウエストの緩いものを選んで。
背筋を伸ばし、前かがみにならないようにする
前かがみで腹圧が上がると胃酸は逆流しやすいので注意しましょう。背筋は伸ばして。
適度な運度をする
おなかに脂肪がたまると腹圧で胃酸が逆流しやすくなります。適度な運動を心がけて。
禁煙!
喫煙は食道の炎症を悪化させ食道がんのリスクを高めます。禁煙が何よりです。
就寝時は胸から頭にかけて高くする
胃酸が逆流しやすい人は、上半身を斜めに高くして寝ると逆流予防に役立ちます。
取材・文/安達順子 イラスト/堀江篤史
立花慎吾(たちばな・しんご)先生
東京医科大学病院消化器外科・小児外科派遣准教授。戸田中央総合病院外科消化管部長。東京医科大学卒。米国留学、愛知県がんセンター中央病院などを経て2018年より現職。食道がんのロボット支援下手術など、最先端医療に取り組んでいる。