食道がんの原因にも。「逆流性食道炎」を知っていますか?

pixta_30924238_S.jpg梅雨で湿度の高い時季には、お酢やかんきつ類で風味付けした酸っぱい料理がおいしく感じられますね。でも、食後に酸っぱい液体が口の方へ戻ってくると不快でしょう。このような症状が続くときには、逆流性食道炎の可能性があります。胃酸が食道に逆流することで、胸やけやげっぷなどさまざまな症状につながるのです。逆流性食道炎について、東京医科大学病院消化器外科・小児外科派遣准教授の立花慎吾先生に伺いました。

 

60歳以上の女性では、逆流性食道炎の発症頻度と重症度が上昇

「食道からつながる胃の入り口は、食べ物が胃へ到達すると閉じる仕組みがあります。しかし、脂っこい食事、ウエストを締めつける衣類、ストレス過多、加齢などでも、胃の入り口は緩みやすいのです。結果として、逆流した胃酸で、食道に炎症が起こる逆流性食道炎になる方がいます」と立花慎吾先生。

胃では、食べ物を消化するために酸性の強い消化液である胃酸を分泌しています。胃の粘膜は、胃酸から守られる仕組みがありますが、食道の粘膜にはそれがありません。そのため胃酸が逆流すると、食道に炎症が生じてしまうのです。ひどくなると物がつかえているような感じや、喉の違和感などにもつながります。

「健診を受けた方の約1割に逆流性食道炎が見られたとの報告があります。60歳以上の女性では、発症頻度と重症度はアップします。重症の場合、食道がんの発症リスクも高くなるので、注意が必要です」(立花先生)

 

 

ご存じですか?

逆流性食道炎

「逆流性食道炎」の症状は?
-胸やけ、げっぷ
-口中に苦いものが込み上げてくる
-喉の違和感
-物がつかえているような感じ

 

「逆流性食道炎」になりやすい人は?
-脂肪分の多い食事をしている人
-おなかいっぱいにならないと気が済まない人
-お酒をよく飲む人、喫煙する人
-ストレスが多い生活をしている人
-背中が曲がっている人

 

患者はどれくらいいるの?
-日本人の約10%
-増加傾向にある

逆流性食道炎の有病率は10%程度と推計されています。内視鏡検査で逆流性食道炎が見つかる人は、1980年代後半は1%前後でしたが、2000年代には10%を超えて増加傾向にあります。

次の記事「胃に入った食べ物が逆流するのはなぜ? 逆流性食道炎のしくみ(2)」はこちら。

取材・文/安達順子

<教えてくれた人>
立花慎吾(たちばな・しんご)先生

東京医科大学病院消化器外科・小児外科派遣准教授。戸田中央総合病院外科消化管部長。東京医科大学卒。米国留学、愛知県がんセンター中央病院などを経て2018年より現職。食道がんのロボット支援下手術など、最先端医療に取り組んでいる。

この記事は『毎日が発見』2018年6月号に掲載の情報です。
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