不整脈って何? まずは心臓のことをおさらいしましょう/不整脈

pixta_19087944_S.jpg心臓は1日に10万回以上も収縮しています。その脈の乱れが「不整脈」です。
急に動いたときや、緊張、ストレスなどでドキドキするのは「怖くない不整脈」。安静時でもドキドキしたり、めまい、息切れ、動悸があるのは「怖い不整脈」かもしれません。
心臓と不整脈について、大阪大学大学院医学系研究科外科学講座心臓血管外科学教授の澤芳樹先生に聞きました。

 

心臓は痛みを感じない! 他部位が出す危険信号に注意

心臓は250~300g程度、握りこぶしよりやや大きい「筋肉の塊(=心筋)」です。眠っている間も動き続け、心臓が止まったときに命も終わります。澤先生は、人命を救う医師になろうと心臓外科医を選択したそうです。

「心臓は1分間に約60回、伸び縮みを繰り返し、約10リットル近い血液を全身に送り出しています。心臓の病気を見つけにくいのは、心臓が痛みを感じないからです。『心臓が痛い』という人は原因不明の神経痛であることが多く、逆に背中、肩、お腹の痛みで胃腸や肝臓の病気かと思ったら心臓病だったということが多いのです」と澤先生。心臓自体に痛みを感じるセンサーはなく、まわりにある神経が心臓の異常を察知して痛みの信号を発信するため、心臓とは別の場所で痛みを感じることが多いのです。

「脈を測り異常を見つけること以外に、胸、肩、背中、腹部に痛みを感じたら、『もしや心臓の病気では...』と考えて医師に相談しましょう」

 

もしかして「怖い不整脈」? 不整脈をセルフチェック

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心臓は丈夫で働きものですが、年齢とともにトラブルが発生することがあり、気が付かないうちにある日突然死...という最悪の事態も招きかねません。それを防ぐためにも毎日脈をとり、心臓のコンディションをチェックしましょう。

 

 

病気を正しく理解するために
まずは知っておきたい心臓のこと

<心臓の構造>
心臓の壁を作る心筋の収縮で心臓がポンプのように動き、血流をコントロールします。左右と前後に分ける壁と弁で四つの部屋に分かれます。右上は「右心房」、右下は「右心室」、左上は「左心房」、左下は「左心室」です。右心房は上大静脈と下大静脈から来た静脈血を右心室に送り、右心室が肺動脈に押し出し、左心房は肺で二酸化炭素と酸素のガス交換を終えた動脈血を左心室に送り、左心室が大動脈に送り出します。

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◆肺循環(小循環)とは?
血液が心臓を出て肺に至り、再び心臓に戻る一連の流れが「肺循環」。ルートは「右心室→肺動脈→肺→肺静脈→左心房」で、呼吸で得た空気から酸素を受け取り、二酸化炭素を受け渡す「外呼吸」をしています。肺循環に要する時間は3~4秒。

◆洞結節(どうけっせつ)とは?
「心臓の司令塔」、「自然のペースメーカー」と呼ばれ、右心房の上部にある約2000個の細胞で構成される組織。交感神経・副交感神経に反応して自分で電気信号を作り、その刺激を心筋に伝えて心臓の運動をコントロールしています。

◆体循環(大循環)とは?
血液が心臓を出て全身の毛細血管に至り、再び心臓に戻ってくる一連の流れが「体循環」。ルートは「左心室→大動脈→全身の器官・組織→上大静脈・下大静脈→右心房」で、血液を介して細胞に酸素を渡し、活動によって発生した二酸化炭素を受け取る「内呼吸」をしています。体循環に要する時間は約20秒。

 

次の記事「正常な「脈拍」と三つの「不整脈」。それぞれの違いをチェック/不整脈(2)」はこちら。

取材・文/宇山恵子 撮影/奥西淳二 イラスト/末続あけみ

<教えてくれた人>
澤 芳樹(さわ・よしき)先生

大阪大学医学部卒、医学博士。大阪大学大学院医学系研究科外科学講座心臓血管外科学教授。iPS細胞を用いた心筋シートの開発など世界最先端の研究を推進している。

この記事は『毎日が発見』2018年5月号に掲載の情報です。
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