目のクマ・顔のくすみは血流の滞りが原因? 血流をよくするために押したい4つのツボ

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(C)櫻井大典、中神洋和 絵:ももろ

自律神経もととのう 漢方ツボ押し大全(櫻井大典、中神洋和/KADOKAWA)第6回【全8回】

年を重ねるごとに増えていく心と体の不調を「年齢のせい」とあきらめていませんか? SNSで人気の漢方専門家・櫻井大典さんと鍼灸師・中神洋和さんが提案するのは、そんなお悩みを抱えたあなたを手助けするツボ押しと養生のやり方です。「ぐっすり寝たのに疲れが取れない」「胃腸が弱い」「肩こりや頭痛がしんどい」といったなんとなくの体調不良には、ツボ・養生・漢方薬が効果的。毎日を元気に過ごすために知っておきたいツボ療法について、初歩から実践までまるっと学んでいきましょう! まずは、ツボ押しの3つの基本方法からご紹介します。

本記事は櫻井大典、中神洋和著の書籍『自律神経もととのう 漢方ツボ押し大全』から一部抜粋・編集しました

不足分をおぎなうか、不要なものを出すか
「補・瀉・平」のツボの押し方

ツボ押しのとき、覚えておいてほしいのが「補(ほ)」「瀉(しゃ)」「平(へい)」という3つの押し方です。本記事でも、各ツボのところにこの3つのどれかを併記しています。

東洋医学(中医学)における診断方法には「虚実」という考え方があります。ざっくりいうと、「虚」は心身に必要なものが足りていない状態で、「実」は心身に余分なものがたまっている状態をさします。

ツボ押しや鍼治療をおこなうとき、私(中神)は相談にいらしたかたの不調の原因が「虚なのか、実なのか」をみきわめ、それにあわせて押し方(さし方)を決めています。虚の場合は足りていないものを満たすために「補す」必要があり、実の場合は余分なものを流すために「瀉す」のです。

<補>

足りないものがあり、それをおぎないたいときの押し方です。不足している分をおぎない、満たすためには、痛くする必要はありません。やさしく押すことで、足りないところをじっくりと満たしてください。トントンとやさしくたたいてもよいでしょう。

<瀉>

余分なものがたまっているときの押し方です。詰まりを流し、取りのぞくイメージなので、強めにしっかりと押すのがポイントです。「痛気持ちいい」をめざしましょう。指の腹では押しにくいときは、爪やペン先などを利用してもOKです。

<平>

補と瀉の中間が「平」です。これはそのツボが本来もっている機能を回復させたいときの押し方で、おぎなうでも流すでもなく、もとにもどすのが目的。中くらいの強さでしっかりと押しますが、痛いほど強くしないようにしましょう。

お肌・アレルギーによる不調 目のクマ・顔のくすみ

ドロドロになって熱をもった血が全身から集まってくるのが首や肩

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(C)櫻井大典、中神洋和 絵:ももろ

顔のくすみやクマの原因は、血流の悪化にあります。血流がとどこおると、血が全身をスムーズにめぐらないのでドロドロになって質が悪くなり、黒ずんでいきます。このように状態の悪い血を「?血(おけつ)」と呼びます。これでは必要な栄養が細胞にはこばれず、ますます血流が悪くなり、くすみやクマの原因になります。

そこで血流をよくするために押したいのが、ここで紹介する4つのツボです。これらのツボはすべて顔にあり、全身のなかで12本ある経絡(気や血の通り道)のうち、もっとも太い経絡上にあります。そこは「多気多血の経絡」と呼ばれ、人が生きるうえで大切な気や血がたくさん流れているので、血流をよくするにはそこの流れをととのえるのが一番手っ取り早いです。1週間ほど、これらのツボを定期的に押すと、くすみやクマはもちろん、むくみにも効果的でしょう。

さらにこの経絡は胃と大腸と関係しています。東洋医学(中医学)において、顔のくすみや目のクマの悩みについては「腎が弱っている」と書かれることが多いのですが、それでは治らないと私たちは経験から感じています。それよりも、血流障害が原因のことが多いので、血のもとをつくる胃と腸を元気にたもつことが重要です。
 
また、これらのツボを押すと顔面神経も刺激できます。それにより、自律神経の中枢である視床下部にも届きやすくなるので、自律神経をととのえる効果もあります。

Let's ツボ押し

【下関(げかん)】押し方:瀉

鼻から耳をつなぐライン上にあり、ほおの高いところに位置します。ここを指の腹で揺らすとゆるまり、血流改善に。美肌効果もあります。また、顎関節症のかたがここを押すと楽になりますよ。

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(C)櫻井大典、中神洋和 モデル:宗田淑

【下関(げかん)】押し方:瀉

血流改善のほか、目の疲れ解消として有名なツボです。黒目の真下、目元の骨のふちのところにあります。こちらも指の腹で揺らしましょう。ちなみに、ここに鍼を打ったあとに鼻をかむと、鼻に入っていた花粉などのゴミが排出されます。

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(C)櫻井大典、中神洋和 モデル:宗田淑

【魚腰】押し方:瀉

まゆの上、黒目からまっすぐ上に線を引いたところにあるツボです。心を落ち着けてリラックスさせる効果もあります。指先をあてたらゆるめるイメージで、左右に軽く揺らします。強くやりすぎなくてOKです。スッキリするまで続けましょう。

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(C)櫻井大典、中神洋和 モデル:宗田淑

【承漿】押し方:瀉
下唇の真下からあご先をつないだ中心、少しくぼんだところにあります。指先で押して軽く揺らしましょう。血流改善のほか、むくみやたるみ解消にもうれしいツボです。ちなみに、ここににきびができると、胃腸または婦人科系にトラブルがある可能性があります。

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(C)櫻井大典、中神洋和 モデル:宗田淑

Let's 養生

座りっぱなしには注意!定期的に動き、冷やさないこと
血のめぐりをよくすることが重要なので、次の生活習慣には気をつけましょう。

●冷え
冷えると血の流れがとどこおるので、薄着はしないこと。出かけるときは、はおれるものを持って行き、靴下やレッグウォーマーで足元を温めましょう。

●運動
デスクワークのように、座りっぱなしの習慣がある人は気をつけて! あなたが動かないと、体内の血も動きません。ときどき立ち上がって動く習慣をつけてください。屈伸や肩回しくらいでよいので、軽めの運動を。

●ストレス
中長期的に精神的なストレスがかかることでも、血のめぐりは悪化します。
むずかしいかもしれませんが、なるべくストレス原因からはなれましょう。深呼吸したり、好きな香り(ハーブのフレグランスなど)をかいだりするだけでもストレス緩和になります。

●食事
避けたいのは、脂っこいもの、味の濃いもの。いずれも血の質を悪くしてしまいます。できるだけあっさりした味の温かい食事を心がけましょう。なお、血流改善の漢方薬を使うのも手です。

 
※本記事は櫻井大典、中神洋和著の書籍『自律神経もととのう 漢方ツボ押し大全』(KADOKAWA)から一部抜粋・編集しました。
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