「坐骨神経痛」という病気はない!? 坐骨神経痛の名前に隠された、代表的な「4つの疾患」

代表的ものを挙げれば、次のような疾患が坐骨神経痛を引き起こします。

●腰椎椎間板ヘルニア
腰椎の骨と骨との間にありクッションの役割をしている椎間板(ついかんばん)が飛び出し、神経を圧迫する病気

●腰部脊柱管狭窄症
腰椎の加齢性変化などが原因で、脊柱管や椎間孔と呼ばれる神経の通り道が狭くなってしまい、神経を圧迫する病気

●腰椎分離すべり症
腰椎の後方の一部分が疲労骨折などにより分離してしまい、経過とともに分離したところが前方にずれることにより神経を圧迫する病気

●脊髄腫瘍
脊柱管の内側にできた腫瘍(しゅよう)の総称で、腫瘍による脊髄(せきずい)や馬尾(ばび)神経の圧迫によって症状が出る病気

ここに挙げたものはあくまで一部で、ほかにもさまざまな病気が坐骨神経痛の原因となりえます。

まずは、坐骨神経痛を引き起こす原因となっている疾患をできるだけ早めに特定して、その原因疾患の治療することが大切です。

もしかして坐骨神経痛かな? と思うような痛みを感じたら、まずは整形外科を受診してしっかり精査するようにしましょう。

 

おると
整形外科専門医。診療にあたりながら、自身の転職経験をもとにしたブログ「フリドク」やX(旧Twitter)を2018年より開始。正しい医療をわかりやすく発信するスタイルや世間のネットニュースについての専門医目線での解説、ニセ医療解説などが大きな反響を呼び、現在12万人を超えるフォロワーを有する(2024年2月時点)

※本記事はおると著の書籍『整形外科医が教える 家族の身体を守る医学的ライフハック』(KADOKAWA)から一部抜粋・編集しました。
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